米国では、55歳以上の男性の自殺率が特に高いことが明らかになりました。米疾病対策センター(CDC)の最新報告書によれば、2019年から2年連続で下がっていた自殺率が、21年に再び上昇に転じたのです。
自殺率が高い要因
55歳以上の男性の自殺率は、全体平均の約2倍も高い水準にあります。特に85歳以上の男性は自殺のリスクが最も高く、10万人当たりの自殺者数は56人近くにも達しています。
自殺の主な要因としては、抑うつ、病気、障害、孤独、死に至る手段の5つが挙げられます。年齢が上がるにつれて、病気や障害を抱えたり、社会的に孤立したりするケースが増えるため、自殺のリスクも増大するのです。
銃を使用する傾向にある
米国では、男性が女性よりも銃を所有している割合が高く、さらに高齢者の方が若年層よりも銃を所有している傾向があります。また、男性は軍の訓練や狩猟経験から銃に慣れていることも一因です。
21年に自殺した65歳以上の男性のうち、少なくとも4分の3が銃を使用していましたが、同年代の女性では銃と毒物による自殺がほぼ同数でした。
男性の孤独とアイデンティティーの喪失
専門家によると、男性は女性よりも多くの人と親しくなったり関係を維持したりすることが苦手であり、孤独に陥りやすい傾向があります。また、男性のアイデンティティーは仕事と結びついていることが多く、退職後にそれが失われてしまうことでうつ症状が現れることもあります。
この年代の自殺に関して、統計的に「何年の余命が失われたか」と考えることは、高齢者の命や人生経験を軽視することになると指摘されています。私たちは、長年の人生経験を大切にし、高齢者の苦悩に真摯に向き合うべきです。
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