「下着脱がしてたたけ」エホバ幹部指導でむち打ち激化か 元信者証言

エホバの証人

キリスト教系新宗教「エホバの証人」の信者家庭で問題となっていた「むち打ち」が、幹部の指導によりさらに激化していた可能性が浮上しました。愛知県豊橋市在住の元信者の女性(45)が毎日新聞の取材に応じ、「幹部が『下着を脱がしてたたけ』と指導し、むち打ちがエスカレートした」と証言しました。教団は児童虐待を容認していないと主張していますが、幹部の指導が虐待を拡大させていた可能性があるのです。

むち打ちの宗教的根拠としての聖書

エホバの証人におけるむち打ちの背景には、聖書の中の「むちを控えるな」「懲らしめを怠るな」といった記述の影響があります。これまで、棒やゴムホース、物差し、革製のベルトなどが「むち」として使用されてきました。

厚生労働省による見解

厚生労働省は2022年末に公表した宗教的虐待への対応指針で、信仰に基づくものであっても、むち打ちは虐待行為に当たるとの見解を示しています。

下着脱がしの指導とむち打ちのエスカレート

元信者の女性は幼少期から実践的な信仰体験を持っており、集会には母親と一緒に参加していました。しかし、集会中に居眠りしたり、母親に口答えをしたりすると、竹製の物差しで服の上からたたかれることがあったそうです。

さらに、女性によると小学校4年生の頃、地域の信者グループを監督する幹部が信者に対して、「子どもをたたくときは下着を脱がしてたたくように」と繰り返し指導していたといいます。それ以降、女性自身も母親に下着を脱がされ、物差しで尻などをたたかれるようになりました。

また、教団で歌われていた「子供たち-神からの貴重な賜物(たまもの)」という歌には、「子らは良き賜物 鍛え 教え 守らん」「神の鞭(むち) 用いつつ」という歌詞があり、この歌もむち打ちを促進させたとされています。

学校行事より集会の優先

さらに、女性は教団の集会に参加することを優先し、学校の行事を休むよう指導されていました。別の幹部が「学校行事と集会が重なったら集会を優先しなさい」「学校行事中にハルマゲドンが来たらどうしますか」と発言し、土曜授業を休んだり、運動会を途中で抜けたりすることもあったそうです。

女性は宗教的理由で学校行事を休む際、欠席した理由は「事故欠」として扱われ、小中高校時代の通知表には年に1〜3回ほど「事故欠」で欠席した記録が残っていました。女性は当時、担任の教諭に事情を話すことが非常につらかったと振り返っています。

このように、エホバの証人の信者家庭での信仰の実践には、問題があったことが明らかになりました。こうした問題が起こらないようにするためには、信者の指導者や教団の対応が重要です。

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