スウェーデン、移民の強制退去要件導入を検討へ

スウェーデン・マルメにデンマークから到着した難民(2015年11月19日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News

スウェーデンは、現行法を見直し、新たに難民・移民の強制退去要件を導入する計画を発表しました。今回の記事では、その要件や導入の背景について詳しくご紹介します。

移民の社会統合を成功させるための要件

移民相であるマリア・マルメルステーネルガルド(Maria Malmer Stenergard)氏は、極右政党であるスウェーデン民主党との記者会見で、移民の社会統合を成功させるためには、移住希望者が基本的な規範を守り、誠実で品行方正に暮らすことが必要だと述べました。

「不品行」と認定され得る例とは?

ジェンダー平等相であるパウリーナ・ブランドベリ(Paulina Brandberg)氏は、現行法に基づいて移民の在留資格の取り消しが認められる根拠があるかを確認した上で、「不品行」と認定され得る例として、給付金の不正受給、借金、不正行為、薬物乱用、犯罪組織や「スウェーデンの基本的価値観を脅かす」暴力的な過激派組織への関与などを挙げました。また、移民が「スウェーデンの民主主義的な基本的価値観を著しく脅かす思想表明」を行っている場合についても検討すると説明しました。

「この国から出て行ってもらうしかない」

移民相のマルメルステーネルガルド氏は、「スウェーデンが支持する民主主義的な価値観にそぐわないものを望むか、積極的に反対するなら、この国から出て行ってもらうしかない」と述べました。

スウェーデンの移民受け入れの背景

1990年代以降、スウェーデンは主に旧ユーゴスラビアやシリア、アフガニスタン、ソマリア、イラン、イラクなどの紛争地帯から多くの移民を受け入れてきました。これにより、多様な背景を持つ人々がスウェーデンで新たな暮らしを始めることができました。

記事の参考元リンク: https://news.yahoo.co.jp/articles/ed6e58b0ac2201c24769e4c7a7adde8cabb6ccbd

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この記事では、スウェーデンの移民政策の変更について取り上げました。移住希望者には、移民の社会統合を成功させるための基本的な規範を守ってもらうことが求められます。また、不正行為や暴力的な過激派組織への関与などが「不品行」と認定された場合、在留資格の取り消しも検討されます。スウェーデンの民主主義の価値観を脅かす思想表明についても言及され、移民相はこの国の価値観にそぐわない場合は退去する必要があると述べました。スウェーデンは長年にわたり、多くの移民を受け入れてきましたが、移民の社会統合と国の価値観を守るための新たな要件導入に向けての検討が進んでいます。