74回目の終戦記念日にあたり、日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配の犠牲となった内外の人々に深い哀悼の意を表します。
今、日本は戦争の惨禍と反省から生まれた世界に誇る宝・憲法9条を守るのか、改憲を許して再び「戦争する国」にしてしまうのかの歴史的岐路に立っています。
不戦の誓いを新たにするこの日にあたって、9条を守り抜き、9条を生かした外交で平和な日本と北東アジアをつくるために全力をあげる決意を新たにします。
先の参院選で、自民、公明、日本維新の会など改憲勢力を3分の2割れに追い込むという重要な成果をあげました。選挙後の各種世論調査でも、安倍改憲反対が賛成を大きく上回っています。にもかかわらず、安倍晋三首相が「残された任期の中で憲法改正に当然挑む」などと、民意を無視した改憲に、前のめりの姿勢を崩していないことは重大です。
安倍改憲の狙いが、海外での無制限の武力行使を可能にし、米国との“血の同盟”づくりにあることは明白です。すでに、安保法制=戦争法が施行され、自衛隊が米軍とともに海外で戦争する体制づくりが進んでいます。国民の世論と運動をさらに広げ、安倍改憲策動に終止符を打とうではありませんか。
北東アジアの平和構築にとっても、アジア諸国民との友好と良好な経済関係にとっても、日本政府が過去の侵略戦争と植民地支配の過ちと向き合い、真剣に反省する立場に立つことがいよいよ重要になっています。
安倍首相は、徴用工問題で「韓国が一方的に条約に違反している」などと非難しますが、1965年の日韓請求権協定で国家間の請求権は放棄されても、被害者個人の請求権は残っていることを日韓両国の政府と最高裁が認めています。侵略戦争・植民地支配と結びついた重大な人権問題である徴用工問題で、日本政府と当該企業が被害者に明確な謝罪や反省を表明してこなかったことも重大です。
日本政府による対韓輸出規制拡大は、徴用工問題という政治紛争の解決手段として貿易を利用する“禁じ手”であり、断じて許されません。日本政府と当該企業が、植民地支配と人権侵害への真摯(しんし)な反省をもとに「個人の請求権は消滅していない」という日韓の共通の認識を基礎にして韓国側と協議し、この問題の公正な解決方向を見いだすことを求めます。
日本共産党は、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた党として、日本とアジア諸国との平和と友好を実現するため力を尽くすものです。(小池晃書記局長談話)