サッカーファンのみなさん、お待たせしました! 今回は、サッカーW杯予選で起こった驚きの出来事についてお話しします。21日、ジッダで行われた日本対シリアの試合がなんとテレビで生放送されなかったのです! その理由とは一体何だったのでしょうか?
“アラブ式交渉術”とは
まず、話をする前に「アラブ式交渉術」という言葉を聞いたことはありますか? シリアの首都ダマスカスで交渉する際に使われる、独特な交渉術のことなんですよ。その特徴とは、商品の値段を高くふっかけてくることなんです。大まかな流れを見てみましょう。
まず、お店に入ると「アハラン・ワサハラン(ようこそ)」と、商品を品定めしているあなたを愛想よく迎え入れてくれます。そして、「これいくら?」と値段を聞くと、通常の価格の2倍ぐらいに高く提示されるのです。
「高い!」と思いながらも、あなたは値切ることに挑戦します。「せいぜい50ポンドだな」と言うと、店主は「ダンナ、店でも最高級のテーブルクロスですぜ。90ポンドでどうです?」と言い返します。さらに、「この間友人がここでサービスをしてもらったと言っていたから、私にもサービスしてよ」と交渉を続けるのです。
実際に友人がいたわけではないのに、あなたは思わずかけひきをしてみます。「ああそうですか。ではお友達価格で80ポンドにします」と店主が言います。「60なら即金で買うよ」とあなたは反論し、この場で値段交渉は一旦終了です。
しかし、その後もまだまだ話は続きます。店主はコーヒーを出してきて、景気の悪さを世間話で話し始めます。「もう赤字でもいいです。75ポンドにします」と店主が言うのです。
ここであなたは勝負をかけます。「日本人だから騙せると思っているなら間違いだ。帰る」と言い放ち、店を出ます。すると、店主が追いかけてきて最終的には「わかりました。大奮発します」と言って、値段を下げてくれるのです。そして、再び店に戻りますが、まだまだかけひきが続き、結局65ポンド程度で商品を買うことになります。この一連のやり取りには、なんと30分以上もかかってしまったのです。本当に神経をすり減らしますよね。
サッカーW杯予選の衝撃
先ほどの話を思い出したのは、21日に行われたサッカーのW杯予選、日本対シリアの試合がテレビで生放送されなかったからです。一体なぜ、この試合は放送されなかったのでしょうか?
全ては放映権の問題から始まりました。どうやら、アラブ世界では放映権をめぐる交渉が非常に厳しいのだとか。通常の交渉術ではうまくいかず、試合が生放送されないまま終了してしまったのです。
サッカーファンにとっては非常に残念な出来事でしたが、こういったこともアラブの文化や習慣を知る上で興味深いエピソードですよね。
以上が、テレビ放送されなかったサッカーW杯予選、日本対シリアの出来事でした。次回の試合では、無事に生放送されることを願っています!
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