通知表は教育に必要? 廃止した小学校校長に聞く 藤原和博氏「丸つけや板書は全てタブレット、文章にまつわる事務負担はなくすべき」

学校の「通知表」がなくなっていくかもしれないという話が広まっています。東京・新宿区立西新宿小学校では、5年生の算数の授業が注目されています。子どもたちが身体を使って学ぶ授業で、通知表の廃止もその一環として実施されました。

子どもたちの意見は賛否両論

この学校の通知表の廃止には、子どもたちからも賛否の声が上がっています。「成績表があったほうがいい。自分の評価がわかるし、悪くてもお母さんに怒られるだけ」「勉強したり、やる気につながる」「なくなってよかった。【もう少し】が多いとダルいから」といったコメントがあります。

主体的な学びの実現への取り組み

通知表の廃止は、学校教育における主体的な学びの実現を目指したものです。このため、宿題は廃止され、代わりに生徒が自由に取り組む「自学ノート」が導入されました。さらに、テストもなくなりました。個々の生徒の個性を重視し、主体性を伸ばすことを目指しています。

藤原和博氏の見解

一方で、藤原和博氏は通知表の廃止について次のように指摘しています。まず、学習習慣がついていない子どもたちにとっては、宿題がなくなると勉強しなくなってしまう可能性があります。また、教員ごとの力量の差が顕著になります。全ての生徒に一律で教えることができないため、教員の負担も増えるでしょう。通知表の廃止による質的な転換はあるかもしれませんが、負担が軽くなったとは言えません。さらに、保護者の不安も大きな課題です。

将来の教育に向けた試行錯誤

通知表の廃止による学校教育の変革は、まだ試行錯誤の段階です。長井満敏校長は、自学ノートの導入などを通じて子どもの主体性を伸ばすことに賛同を得られたと話しています。しかし、教員側には具体的な手法が不明瞭であるため、受け入れが難しい印象もあります。

通知表の廃止の是非については意見が分かれるところです。しかし、主体的な学びの実現や個性の重視は、将来の教育に向けた試行錯誤の一環と言えるでしょう。詳細はこちらでご覧ください:日本ニュース24時間