オスカー俳優、発言が“反ユダヤ”と猛批判→事務所クビへ 2週間後謝罪も「後戻りできない」「圧力に屈するとはこういうこと」

スーザン・サランドン

オスカー俳優のスーザン・サランドンが、イスラエルとハマスの紛争についての発言が“反ユダヤ主義”として非難され、その結果、所属していた事務所との契約を解除されることとなりました。発言からおよそ2週間後、スーザンは謝罪の声明をInstagramに投稿しましたが、「後戻りできない」と述べるなど、圧力の大きさを感じさせました。

発端は紛争をめぐる集会での発言

スーザンは有名な映画作品で知られているだけでなく、政治的な発言や活動でも注目される存在となっています。

問題となったのは、ニューヨークで開催された集会での発言です。スーザンは「今、ユダヤ人であることを恐れている人がたくさんいます」「この国でイスラム教徒であることがどのようなものなのかを味わっている人がたくさんいます」と述べ、反ユダヤ主義の増加について訴えました。彼女は、ユダヤ系アメリカ人が現在迫害にさらされている様子を、イスラム教徒がこれまで味わってきた恐怖になぞらえて話しました。

自身の発言は「とんでもない間違いでした」

この発言が拡散されると、スーザンの発言は「反ユダヤ主義」であると非難が相次ぎました。大手エージェント会社の「ユナイテッド・タレント・エージェンシー」は、スーザンとの契約を解除すると発表しました。

約2週間後の1日、スーザンは沈黙を破り、テキスト画像をInstagramに投稿しました。「つい先日、私はガザでの緊急な人道的危機を強調し、停戦を呼びかける多様な活動家たちとともに集会に参加しました。そこでスピーチをする予定はありませんでしたがステージに招かれ、手短に発言しました」と事件の経緯を説明しました。

スーザンは「ヘイトクライムの増大を懸念しているということを伝えるつもりで、私は増加する反ユダヤ主義的ヘイトの標的となっているユダヤ系アメリカ人が、『頻繁に暴力にさらされるこの国で、イスラム教徒であることがどのようなものであるかを味わっている』と述べました。この言葉は、最近までユダヤ人が迫害を経験していないかのようにほのめかすもので、とんでもない間違いでした」と自身の発言が誤りであったことを認めました。

スーザンは「私たちみんなが知るように、何世紀にもわたるヨーロッパでの抑圧と虐殺から、ペンシルベニア州ピッツバーグでの『生命の木』銃撃事件(※シナゴーク「生命の木」で反ユダヤ主義の男が銃を乱射し11人が死亡した2018年の事件)まで、ユダヤ人はこんにちまで続く差別と宗教的暴力をよく知っています」と、ユダヤ人が迫害について多くを知っていることを強調しました。

最後にスーザンは「私は発言によって現実を矮小化し、人々を傷つけたことを深く後悔しています。あらゆる偏見との闘いに連帯を示すのが私の意図だったのに、そうできなかったことを申し訳なく思います」と自身の言動を反省し、これからの活動に対する意欲を示しました。

スーザン・サランドンの発言は多くの人々の注目を集めましたが、彼女の謝罪の声明を受けて、一連の騒動に終止符が打たれることを期待したいと思います。

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