「化石賞」なぜ日本ばかり? 中国、際立つ少なさ COP28

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ドバイで開催された国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で、日本が米国やニュージーランドと共に「化石賞」に選ばれました。これは、国際的な環境NGOであるCANから日本が温暖化対策に消極的だとして不名誉な賞を贈られたことを意味します。

なぜ日本ばかりが「化石賞」に選ばれるのでしょうか?一方で、中国は世界最大の温室ガス排出国でありながら、化石賞に縁がほとんどありません。その理由とは?

日本の消極的な姿勢

主な理由は、日本が依然として石炭火力発電を使用し続けていることです。日本政府は、既存の石炭火力発電を廃止せず、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さないアンモニアを燃料に混ぜる技術を積極的に活用する方針を取っています。しかし、これは環境に優しいと見せかける「グリーンウォッシング」と批判されています。

日本は化石賞の常連であり、受賞報告を受けるたびに日本政府代表団は「温室ガス削減の実績を積み上げているのになぜ理解されないんだ」と肩を落としています。

中国の少ない受賞歴

一方、中国はほぼ化石賞の受賞歴がありません。CANによると、2013年のCOP19で受賞したのが最後であり、新興国で複数回受賞しているインドやブラジルなどと比べても少なさが際立っています。

中国が化石賞に選ばれない理由について、CAN関係者は「中国国内でのNGO弾圧につながる可能性もあり、あまり刺激したくないのでは」と分析しています。しかし、気候変動の原因となった化石燃料を長年使い続けてきた先進国の責任は重いと言われています。また、新興国の温室ガス排出も増えており、世界全体での対策が欠かせないとされています。

日本政府関係者は「中国は世界第2位の経済大国でありながら、COPではいまだに途上国のように振る舞っている。責任ある態度と言えるのか」と不満をこぼしています。

化石賞には批判だけでなく、政策改善への期待も込められています。CANは日本に対し、「世界にもっと貢献してほしい」と話しています。

日本が化石賞に選ばれる一方で、中国は際立って受賞回数が少ない理由は様々です。しかし、気候変動の問題は国境を超えています。日本や中国だけでなく、世界全体での温室ガス排出削減に向けた取り組みが必要です。

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