100頭以上が大量死…世界2位「ゾウの国」の悲劇

資料写真。[写真=pixabay]

アフリカのジンバブエで、深刻な干ばつの影響により国立公園のゾウが100頭以上も死んでしまいました。ジンバブエのファンゲ国立公園では水不足が問題となり、最近までに100頭以上のゾウが死亡したと国際動物福祉基金(IFAW)が明らかにしました。

深刻な干ばつによる水不足

IFAWによると、乾期が平年よりも長く続いたことで、かつては泉だった場所が今では泥沼になってしまいました。国立公園は太陽光動力ポンプ104個を設置しましたが、深刻な干ばつの中では水源の補充は不十分であったようです。

ジンバブエには約10万頭のゾウが生息しており、世界で2番目に多く存在しています。ファンゲ国立公園はジンバブエ西部に広がり、1万4600平方キロメートルの範囲に約4万5000頭のゾウが生息しています。ここで暮らす動物たちは、9月から水と餌が不足していたため、ボツワナへと移動していたのです。

IFAWは、このような大量死の背後には気候変動による慢性的かつ複合的な危機があると指摘しています。過去にも2019年にはアフリカ南部でゾウ200頭以上が死亡した悲劇が起きたことから、同様の事態が今回再び起こる可能性も警告しています。

水依存のゾウたちが大量死

先日、ファンゲ地域を流れていた川が干上がったという報道がありました。地元の環境学者は、地表水の枯渇によってゾウたちはポンプに依存する状況になっていると指摘し、「水を必要とするゾウたちがこれほどまでに大量死しているのは類例がない」と述べました。ゾウは1日に約200リットルの水を必要としており、現在のポンプの供給量では生き延びることができないのです。

このゾウたちの大量死は、単なる自然現象ではなく、我々が直面している地球温暖化の影響が如実に表れている悲劇といえるでしょう。

日本ニュース24時間