曇天の梅雨空の下で繰り広げられた参院選(7月21日投開票)が幕を閉じ、1カ月が過ぎようとしている。選挙期間中は各地で雨が続き、各候補者の陣営は傘やレインコートなどが手放せない選挙戦となるなか、「晴れ男」ぶりを発揮したのが安倍晋三首相(自民党総裁)だ。直前に周辺がスコールのような大雨となった日でさえ、首相が街頭演説をする会場では天気が持ちこたえることもあった。「私は晴れ男」と豪語してきた首相だが、たかが天気とあなどることなかれ。政治家にとって天気は勝敗を占う験担ぎでもあるようだ。
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「晴れ男です!」。7月16日、新潟県南魚沼市のJR六日町駅前の演説会場。選挙カーに乗り込んだ首相が茶目っ気たっぷりに話すと聴衆がどっと沸き、拍手が起きた。
新潟地方気象台によると、南魚沼市がある中越地方の同日午前5時時点での天気予報は、夕方から雷を伴う激しい雨と出ており、実際、隣接する魚沼市では午後4時50分ごろ、1時間に100ミリの大雨となった。
ところが、南魚沼市の会場では首相が演説している時間帯、不思議と天気は最後まで持ちこたえた。これより前に演説が行われた同県柏崎市の会場では晴れ間が広がって気温も上昇し、汗ばむほどだった。