事務総長が会長に報告か 安倍派、パーティー収入還流 松野氏らに聴取要請・東京地検

松野博一 前官房長官

自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していたとされる事件で、同派の事務総長が議員側へのキックバック(還流)額や政治資金収支報告書の記載状況について、会長に報告していた疑いがあることが21日、関係者への取材で分かった。

東京地検特捜部の取り組み

東京地検特捜部が、事務総長経験者の松野博一前官房長官ら複数の同派幹部に任意の事情聴取を要請したことも判明。特捜部は、キックバックや収支報告書の不記載に関する議員個人としての認識を確認するとともに、派閥内での報告、了承がどの程度あったかについても調べるとみられる。

ノルマ超過分の裏金化

安倍派では派閥のパーティー券販売について所属議員の当選回数や役職などによってノルマが設けられ、超過分は議員側にキックバックする運用が行われてきた。ノルマ超過分は派閥や議員側の収支報告書に記載せず裏金化していた疑いが持たれている。

事務総長の役割

派閥の事務方が議員ごとの販売額をランキングなどにしてまとめた一覧表を作り、これとは別に収支報告書に記載する金額を記した資料も作成。2種類の資料を基に派閥の実務を取り仕切る事務総長に報告し、事務総長はそれらを会長に見せ、了承をもらうなどしていたという。

事件の関与者と裏金の規模

事務総長は、松野氏が2019年9月から21年10月まで、その後西村康稔前経済産業相が22年8月まで、高木毅国対委員長が現在まで務めている。この間に会長だった細田博之前衆院議長、安倍晋三元首相はいずれも死亡している。

裏金は22年までの5年間に同派全体で約5億円に上る可能性があり、松野、高木両氏ら10人以上が1000万円を超えるとみられる。

今後の進展

特捜部は、19日に政治資金規正法違反容疑で派閥事務所を捜索。押収した資料を分析し、引き続き議員本人への任意聴取も行うなどして実態解明を進める。

Source link