品質経営の崩壊、トヨタが持病再発

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(写真:朝鮮日報日本語版)

世界最大の自動車メーカーであるトヨタが揺れています。大規模な品質問題が相次いで発生したためです。大規模なリコールや性能・燃費データの改ざんなど、信頼性に関わる問題が次々と明るみに出ています。これは、2010年の「アクセルペダル欠陥問題」以来、十数年ぶりの事態です。最近の問題では、トヨタの子会社であるダイハツ工業が30年以上にわたって174件の不正を働いていたことが明らかになりました。以前から指摘されていたように、目標達成を優先する製造方法が改善されず、旧来のやり方が踏襲された結果と言われています。このため、トヨタの品質経営自体が危機に直面しているのではないかとの批判も起きています。トヨタはダイハツの工場を停止し、損害補償についても検討しています。

トヨタが解決できなかった問題

トヨタの子会社であるダイハツは、小型車の製造とトヨタブランドの販売、さらにトヨタへの部品供給を行ってきました。しかし、ダイハツが1989年から30年以上にわたって安全試験データの改ざんなど不正行為を行っていたことが判明しました。例えば、衝突試験ではAというエアバッグを使用しているにも関わらず、実際の車には試験もせずBというエアバッグを搭載していたというケースがあります。さらに、助手席だけでテストを行いながら、両方のテスト結果を虚偽の記載としていたこともありました。不正が行われていた部品は、トヨタブランドで販売された24車種を含む計64車種に使われていました。また、トヨタの子会社で商用車を製造する日野自動車も、6年間にわたって排出ガスや燃費の不正を行っていたことが昨年明らかになりました。これらの車は韓国には輸入されていません。

専門家たちは、トヨタの製造・販売方式が目標達成を過度に重視していたため、今回の問題が起きたと指摘しています。これは2010年の大規模リコールの際にも指摘された問題です。ダイハツの不正を調査した委員会は、「目標達成とスケジュールの厳しいプレッシャーに対する適切な対策がなかった」と明らかにしました。販売に向けてのスムーズな製造が最優先され、リスクを指摘する声が埋もれる環境が形成されていたのです。

信頼性や品質経営の重要性を考えると、トヨタは早急に問題を解決し、再発防止策を講じる必要があります。これまで培ってきたモノづくりの精神を再確認し、品質に対する真摯な姿勢を示すことが求められています。


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