日航機の衝突事故で「奇跡の脱出」、専門家が分析する要因とは

日本航空のA350型旅客機
© REUTERS 着陸時に海保機と衝突し、滑走路上で炎上する日本航空のA350型旅客機=2024年1月2日、東京・羽田空港

東京・羽田空港で発生した日本航空(JAL)のエアバス350型機と海上保安庁の航空機の衝突事故で、乗客乗員計379人全員が脱出したという〝奇跡〟について専門家らが分析し、その理由に迫った。

乗客の脱出に貢献した航空機の安全機能

米CBSニュースの輸送安全アナリストで元国家運輸安全委員会委員長のロバート・サムウォルト氏は、衝突で炎が上がった日航機から生還するためには、複合的な要素が重なったと語った。その一つとして、最新旅客機の衝突安全性が挙げられる。新型機の内装は耐火性に優れており、側壁には以前の機体とは異なる燃えにくい素材が使用されているという。

また、今回の火災は、炭素繊維強化樹脂(カーボンファイバー・コンポジット)で作られた航空機の胴体の安全性を検証する重要な事例となると説明した。

機体の持ちこたえた時間が乗客を守った可能性

米安全コンサルタントのジョン・コックス氏によれば、A350の内部まで燃え広がらなかったことで乗客が守られた可能性があると推測している。

さらに、ドイツの航空ジャーナリストで航空機事故を検証するポッドキャスト番組の共同司会者アンドレアス・スパエス氏は、炭素繊維強化樹脂製の機体が燃えるのを初めて目撃し、その耐久性について高く評価している。

この事故により、日航機の脱出が奇跡と称えられる一方で、海上保安庁機の乗員6人のうち5人が死亡し、1人が重傷を負ったことも明らかになっている。

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