ドナルド・トランプ大統領が弾劾される

2022年1月13日、アメリカ合衆国の首都であるワシントンD.C.の議会議事堂で起こった騒乱の後、ドナルド・トランプ元大統領は2度目の弾劾を受けました。これにより、トランプ氏は史上初めて2度の弾劾を受けたアメリカ大統領となりました。初弾劾とは異なり、10人の共和党議員が民主党とともに弾劾に賛成しました。元大統領は上院の裁判で無罪とされましたが、7人の共和党上院議員が民主党とともに有罪と投票しました。

弾劾の経緯

2019年12月18日、連邦下院は第45代大統領ドナルド・トランプ氏に対して、権力の乱用と議会妨害の罪で弾劾を可決しました。投票結果は、賛成230人、反対197人、棄権1人で、党派的に分かれる形となりました。これによりトランプ氏はアンドリュー・ジョンソンとビル・クリントンに続く、史上3人目の弾劾された大統領となりました。弾劾理由は、2020年の選挙に外国の介入を試みたとの疑惑が浮上したことによるものです。

一部の民主党議員は、トランプ氏の大統領選挙の瞬間から彼を弾劾することを主張してきました。民主党が下院の過半数を取り戻した後、彼らは彼のビジネス取引や彼のキャンペーンとロシアのハッカーとの関係についての複数の調査を開始しました。しかし、証拠を受けて弾劾に理由があるとスピーカーのナンシー・ペロシらを説得する試みは失敗しました。そして新たなスキャンダルが浮上し、弾劾が実現しました。

2019年9月、公衆はトランプ氏とウクライナ大統領ヴォロディミル・ゼレンスキーの間の7月の電話会談に関する告発者の告発を知りました。この告発は、ウクライナへのアメリカの外交援助金を引き続き支給するために、ゼレンスキーが2020年の民主党指名候補であるジョー・バイデンの息子、ハンター・バイデンのウクライナでの不正行為を調査することを約束するまで支払いを停止するというトランプ氏の脅しを含んでいました。

ホワイトハウスは「交換条件(Quid pro quo)はない」と主張しましたが、11月末までには、民主党がトランプ氏の不正行為や議会妨害の理由を信じるに十分な証拠があると判断し、弾劾を進めることを決めました。

弾劾の結果

両方の弾劾条項が下院で可決された後、事件は上院の裁判へと移り、2020年1月16日に開始されました。裁判はアメリカ合衆国最高裁判所の首席裁判官ジョン・ロバーツが裁判官を務めました。2020年2月5日、再び党派的に分かれる形で上院が行った投票で、トランプ大統領は2つの告発について無罪とされました。

アメリカ史上初めて2度の弾劾を受けたドナルド・トランプ元大統領による政治の波乱は、その後も続いていくことでしょう。

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