ウクライナ軍、過激な「ピンナップガール」募兵ポスターに賛否両論

戦争長期化で兵士不足が深刻化、奇抜な広告で若者を惹きつける作戦

2年8ヶ月目に入ろうとするロシアとの戦争の中、ウクライナでは、街中の至るところで目を引く募兵広告を目にするようになりました。それは、第二次世界大戦時に兵士たちの間で流行した「ピンナップガール」スタイルの広告です。

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ワシントン・ポスト紙によると、ウクライナ軍機械化歩兵旅団である第3独立突撃旅団は、10月初旬から、この大胆なピンナップガールを起用した新たなキャンペーンを開始しました。

これまでも異例の広告を展開、注目を集めることに成功

第3独立突撃旅団は、2023年3月にも、精鋭部隊の指揮官5人が素顔を公開した異例の広告を制作し、大きな成功を収めました。1日150~200件もの志願者が殺到したと言われています。今回のピンナップガールキャンペーンは、こうした過去の成功体験に基づいた、4回目となる新たな試みです。

現代の戦場には「開放的な発想」が必要?

メディアチームを率いるクリスティーナ・ボンダレンコ氏は、「現代の戦争においては、よりオープンな発想である必要がある」と語ります。「軍隊に所属することはかっこいい、というイメージを広く浸透させる必要があるのです」。

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世論は賛否両論、過激な表現に批判的な声も

しかし、この大胆な広告キャンペーンに対する世間の反応は、賛否両論に分かれています。SNS上では、「赤面してしまう」「ここまでしなければならないのか」といった批判的な意見も少なくありません。中には、「戦争の長期化で兵士不足が深刻化し、部隊間で新兵獲得競争が激化していることの表れだ」と指摘する声も上がっています。

一方で、「第3独立突撃旅団を愛している。過酷な状況下で戦っているすべての部隊を応援している」と、このキャンペーンを支持する声も存在します。

広告収入は月200万円超え!厳しい財政状況を補う効果も

ボンダレンコ氏によると、このような広告活動は、新兵募集に貢献するだけでなく、YouTube広告収入だけでも月1万5000ドル(約224万円)もの収益を生み出しているといいます。厳しい財政状況が続くウクライナにとって、広告収入は貴重な財源となっています。

ウクライナ軍の奇抜な広告戦略は、今後も物議を醸しそうです。しかし、その背景には、戦争の長期化による深刻な兵士不足という現実があります。