【イスラエル軍が公開】 ハマス最高幹部シンワル氏の最期の瞬間、ドローン映像が波紋

イスラエルとハマスの戦闘が激化する中、イスラエル軍が公開したドローン映像が波紋を広げています。その映像には、ハマスの最高幹部ヤヒヤ・シンワル氏とみられる人物が、ガザ地区の建物内で追い詰められていく様子が捉えられています。

ハマス創設メンバーの最期

シンワル氏は1987年のハマス創設メンバーの一人で、イスラエルにとって長年の宿敵でした。イスラエル軍によると、シンワル氏はガザ地区最南部のラファにある建物に潜伏していました。10月16日、イスラエル軍の歩兵部隊と装甲部隊がこの建物を包囲、戦車が砲撃を加えました。

ドローンが捉えた「最期の48秒」

イスラエル軍が公開した48秒のドローン映像には、粉じんが舞う建物2階の奥で、シンワル氏とみられる人物がソファに座っている様子が映っています。彼はドローンに向かって棒を投げつけ、その直後に映像は途切れます。

現場からは防弾チョッキや銃、そして日本円にして約161万円相当の紙幣が見つかったということです。

ハマス指導者の死、そして残されたもの

シンワル氏は1988年にイスラエル兵士殺害の罪で終身刑を言い渡されましたが、2011年の囚人交換で釈放されていました。そして今年7月末に、当時の最高指導者イスマイル・ハニヤ氏がイランで殺害されたことを受け、その後継者として8月に選出されたばかりでした。

イスラエル軍のドローンが撮影したシンワル氏とされる人物=イスラエル軍が公開した映像からイスラエル軍のドローンが撮影したシンワル氏とされる人物=イスラエル軍が公開した映像から

イスラエルのネタニヤフ首相は、シンワル氏について「自分はライオンだと言っていたが、実際は暗いトンネルに隠れ、パニックになりながら逃げる中で殺害された」と痛烈に批判しました。

一方、かつてイスラエルの刑務所でシンワル氏と同房だったハマス政治局員のホサム・バドラン氏は、シンワル氏を「パレスチナの大義を体現する現実的な指導者」と擁護しています。

しかし、今回のガザ地区での戦闘では、4万2000人以上のパレスチナ人が犠牲になっており、シンワル氏への批判はハマス支持者の間でもくすぶっているとされています。

シンワル氏の死は、イスラエルとハマスの対立にどのような影響を与えるのでしょうか。今後の動向に注目が集まります。