ドイツ経済の現状
ドイツ経済省は、2024年の経済成長率見通しを0.2%減に下方修正しました。これはG7で唯一、2年連続のマイナス成長となる見通しです。一体なぜ、経済大国ドイツはここまで苦境に立たされているのでしょうか?
ユーロ圏の優等生から一転、低迷のワケ
かつてユーロ圏の優等生と謳われたドイツ。共通通貨ユーロは、経済力のない周辺国にとっては割高となり不利ですが、経済力の強いドイツにとっては割安となり有利に働いてきました。しかし、ここにきてその強みも薄れつつあるようです。
ドイツ政府は、景気停滞の主因は「ロシア・ウクライナ侵攻によるインフレ」と説明しています。エネルギー価格の高騰は、たしかにドイツ経済に大きな打撃を与えました。しかし、同じようにエネルギー価格高騰の影響を受けている他の欧州諸国と比較しても、ドイツの景気低迷は際立っています。
ドイツ国旗
ドイツ経済低迷の真犯人は?
専門家の間では、
- 中国経済の減速
- エネルギー構造の脆弱性
が指摘されています。
ドイツは中国と強い経済的な結びつきがありますが、中国経済の減速がドイツ経済に大きな影響を与えていることは否めません。
また、メルケル前政権下で進められた脱原発政策も、エネルギー価格高騰の影響を深刻化させた要因の一つと言えるでしょう。原発は安価で安定したエネルギー源となりえますが、ドイツはその選択肢を自ら放棄してしまったのです。
海底パイプライン「ノルドストリーム」の施設
ドイツ経済の未来は?
ドイツ経済の先行きは不透明感が漂っています。エネルギー価格高騰の影響は長期化すると見られており、中国経済の減速も懸念材料です。
ドイツ政府は、景気刺激策を打ち出すなどして対応していますが、その効果はまだ見えていません。
今後のドイツ経済の動向は、世界経済にも大きな影響を与える可能性があり、注目が必要です。