紫式部も翻弄された?!藤原道長の野望と苦悩 – NHK大河ドラマ「光る君へ」第39回を解説

権力の頂点に君臨するも、拭えぬ不安

NHK大河ドラマ「光る君へ」は、平安時代中期を舞台に、紫式部の人生を描いた物語です。第39回「とだえぬ絆」では、藤原道長の野望と、その裏に潜む苦悩が鮮明に描かれました。

物語は、一条天皇の中宮である彰子が、二人目の皇子を出産するシーンから始まります。彰子は道長の娘。二人の皇子誕生は、道長にとってはこの上ない喜びであり、自らの血筋を天皇家に繋ぐという悲願達成に大きく前進した瞬間でした。

後継者争い、そして深まる疑心暗鬼

しかし、権力の頂点に立つ道長といえども、心の平穏は訪れません。当初、道長は一条天皇と亡き定子との間に生まれた敦康親王を後継者候補として考えていました。彰子に男子が生まれなかった場合に備え、敦康親王を養子に迎える計画さえ立てていたのです。

ところが、彰子は二人の男子を授かります。二人の皇子の誕生は、道長に新たな悩みをもたらしました。敦康親王の存在です。ドラマでは、彰子と敦康親王の仲が良好である様子が描かれ、道長は二人の関係を疑い始めます。

孤独な権力者、その心の内は…

自分の野望、そして大切な娘の行く末。複雑に絡み合う人間関係の中で、道長は孤独と疑心暗鬼に苛まれていきます。

果たして道長は、自らの野望を達成できるのでしょうか?そして、翻弄される紫式部の運命は…?

次回の「光る君へ」も見逃せません!

藤原伊周、弟の隆家ともゆかりの深い太宰府(太宰府天満宮、写真:HAKUTO/Shutterstock.com)藤原伊周、弟の隆家ともゆかりの深い太宰府(太宰府天満宮、写真:HAKUTO/Shutterstock.com)

平安時代の権力闘争を紐解く!

今回の「光る君へ」は、平安時代の複雑な人間関係や権力構造を理解する上で非常に興味深いエピソードと言えるでしょう。歴史学者である山田先生は、「道長の苦悩は、権力者特有の孤独と不安を象徴している。彼の行動は、現代社会にも通じる普遍的なテーマを含んでいると言えるだろう」と分析しています。

ドラマ前半では不仲な親子だった岸谷五朗さん演じる藤原為時と、吉高由里子さん演じる娘のまひろ(紫式部)ドラマ前半では不仲な親子だった岸谷五朗さん演じる藤原為時と、吉高由里子さん演じる娘のまひろ(紫式部)

歴史ドラマとしても、人間ドラマとしても見応えのある「光る君へ」。今後の展開から目が離せません!