赤色灯の変更
どうして「白黒」? どれくらい走ったら「廃車」になる? 日常生活でよく目にするけれど、意外とその実態をよく知らないのがパトカー(以下PC)。これまで、半世紀以上にわたって種々の改良がなされてきたが、このたび、PC上部にある赤色灯の点滅方法が変わることになった。
10月中旬から宮崎、山形、京都などの各府県警察本部で導入されているPCは、緊急走行中と一般のパトロール中で、赤色灯の光り方が変わっている。
「これまでPCの赤色灯は、0.5秒周期で内部のランプが回転・点滅するようになっていました。今回はそれに加え、2秒周期でホタルのように、徐々に光が強くなる発光方式も導入されました。現場ではこれまで、緊急走行時にはサイレンを吹鳴させ、通常のパトロールでは赤色灯の点滅のみとすることで区別していました。しかし、聴覚障害の方には緊急走行かどうか区別できないという声も寄せられていたのです」(警察庁担当記者)
全日本ろうあ連盟からの要望や、民間からの意見などを広く聞いて検討した結果、昨年、埼玉県警での試験運用を経て、正式導入された。新型赤色灯が搭載されたPCが順次、全国警察で導入されていくという。
PCといえば1年365日、昼夜を問わず110番通報を受けて現場に急行し、事件や交通事故の処理にあたる。警察密着番組でもおなじみだが、職務質問を行った対象者の前科前歴照会や、車の速度超過を測定するシステムも搭載しており、まさに「警察の最前線」である。
そのPCが日本に初めて登場したのは1950(昭和25)年6月、東京(警視庁)だった。
〈GHQ(連合軍総司令部)の命令で、全国にさきがけ、警視庁に三台の捜査・警ら用の自動車が配備された。オオタ、トヨペット、ダットサンの各一台で、いずれも戦後の国産車の草分け的な乗用車。二台は現在のパトカーのように上が白、下が黒のツートンカラーに塗られていたが、トヨペットだけは白一色で今の救急車のようなスタイルだった〉(三木賢治著『事件記者の110番講座』(毎日新聞社 1995年刊)より)