もう日本に勝ち組はいない…!教育費がどんどん高くなる東京の「子育ての真相」と衆院選で語られない「東京一極集中」、その危うすぎる罠


膨れ上がる「住宅費と教育費」

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前編『衆院選で語られない「東京一極集中」の罪と罰…「東京23区で子育ては超富裕層しかできません!」と嘆く、エリート会社員「絶望の真実」』で解説してきたように、国民の所得が下落基調に転じた1998年以降、東京23区での子育ては経済的に苦しいと言われてきたが、それが今では勝ち組とされる家庭でも余裕がないという有様だ。

いわんや、その他の家庭では子育てにお金をかけるのがますます難しく、教育格差を拡大する大きな要因となっている。住居費の高騰で苦しくなったなかで、さらに教育費の負担が重くのしかかるということだ。

一般的に教育費とは、幼児教育から大学までの授業料、塾や予備校の補習教育、教科書・学習参考教材などで構成される。教育費で伸びが大きいのは、私立小中学校の学習費と塾・予備校費だ。

ヤバすぎる「教育費の家計負担率」

2022年度以降も私立学校の値上げが相次いでおり、東京都が2023年度から私立中学授業料を10万円援助するようになったので、私立中学校の学習費はさらに増加することになるだろう。

さらに、塾・予備校費の伸びは著しい。私立中学校の受験競争の高まりから2021年度の費用は公立小学生で平均8万円超と、3年前の1.5倍にまで増加した。これは平均値であることから、実際にはこの10倍以上の費用をかけている家計もあるだろう。

その証左として、世帯年収が1200万円超の家計では教育支出が大幅に増えている。特に塾代の伸びが驚くほど大きく、前編の私の友人の話とも符合する。

教育費の負担増加は、教育にお金をかけられる世帯とお金をかけられない世帯の間で教育格差を生むと同時に、すべての子育て世帯から生活する余裕を奪っていく。

日本は教育を私費で賄うのが当然との意識が強い。バブル崩壊を契機に、政府は教育に関する予算を削り続ける一方で、公共事業の予算を手厚くするというバラマキ的な財政に終始してきた。

その帰結として、日本は他の先進国に比べて、教育支出の家計負担が極めて重くなった。たとえば大学に関する教育費では、家計の負担割合が52%と異常に高い。これは、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均22%の2倍を優に超える。



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