日本の29歳以下の3人に2人が親と実家暮らし…わが子をすねかじりやニートにせず自立させる5つの方法


 私も2人の息子を育てて実感しましたが、子育ては悩みや心配事が尽きないものです。親の目から見ると、いつまでも頼りない存在だと思うのも無理はありません。ただ、心配するあまり、自分やパートナーの価値観や知識レベルだけで子育てを行おうとすることは、視野が狭いかもしれない、という考え方を持ってください。

【図表】29歳以下の親との同居率

 狭い考えの一例として、「母性神話」という言葉があります。これは、「女性には母性が備わっているから、母親が子育てをするのが当たり前。それこそが子どものためになる」という考え方です。おそらくほとんどの女性が結婚後に専業主婦になって生活していた時代の話だとは思いますが、両親が協力して子どもの面倒を見るのが当たり前になった現代では通用しない言葉になっています。それに近いもので、3歳までは母親が世話をしないと、人格形成に悪影響が出るという話もありますが、これも特に根拠はありません。

 前時代的だったり、偏った価値観で育てられた子どもが時代にそぐわない人間になるのは当然のことです。必ずしも両親だけが世話をする必要はなく、時にはベビーシッターや保育園をスポットで利用することも検討していくべきです。

 子どもが自宅以外の世界に触れ、親以外の人と接する経験を積むことは、子どもの視野を広げることに繋がります。視野が広いほうが夢や理想の生き方を自分で見つけやすくなるため、早い段階から自宅以外の世界に触れてもらうことは有効な手段です。そして、親はベビーシッターや保育園で子どもを見てもらっている時間で自分のために勉強をしたり、子育てについて考える機会が生まれるため、双方にメリットがあります。

 小さいころからさまざまな社会と関わり合うことは、子ども自身の自立に繋がります。子育てにも多様性が求められる時代になっているのです。

 当たり前かもしれませんが、親にとっては「子育て学校」のような、子育てについて誰かが教えてくれる場所があるわけではありません。ですので、基本的には自分が受けた家庭教育を模倣することがほとんどだと思います。このときに気を付けていただきたいのが、自分がしてもらってよかったことは真似をして、嫌だったことはやらないことです。簡単ですがこれを意識するだけで、ある程度間違いは減るでしょう。



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