政治への情熱と個性あふれる候補者たち
大分県内3つの選挙区で行われる衆議院選挙。その中で、今回は大分2区に焦点を当て、立候補している10人の候補者のうち、吉川元候補と広瀬建候補の政治への思いや人柄に迫ります。
吉川元候補:働く人の代表として5度目の挑戦
吉川元候補
立憲民主党から出馬する吉川元候補は、58歳。政治資金収支報告書の不記載問題については、「『裏金議員』の大半が公認された。石破総理も言葉だけだ」と自民党を痛烈に批判し、選挙区での初勝利を目指します。
香川県出身の吉川氏は、大学時代に実家の経済状況から仕送りがなく、バーテンダーや家庭教師のアルバイトで生活費を稼いでいました。そんな中、先輩の勧めで「働く人の代表」と感じた社会党(現社民党)の活動に参加するようになったと言います。
2012年の衆院選では、政策秘書として支えた重野安正氏(故人、元社民党幹事長)の後継者として初出馬。その後、4度の選挙ではいずれも比例復活という結果でしたが、着実に票差を縮めてきました。前回の選挙では、654票差まで迫り、今回の選挙にかける思いはひとしおです。
国政においては、教育と地方自治の充実に特に力を入れてきました。「地域がまちづくりに主体的に参加し、決定できることが地方活性化の唯一の道」と語る吉川氏。自らを一言で表すと「楽天主義」で、ラーメンが大好物という一面も持っています。
広瀬建候補:民間経験を活かし政治に新風を
広瀬建候補
無所属新人の広瀬建候補は、50歳。昨年10月まで約25年間勤めた神戸製鋼所を辞し、国政を目指す道を選びました。「(日本は)まだまだいい国にできる。政治に新風を吹かせたい」と意気込みを語ります。
広瀬氏は、江戸時代の日田の儒学者・広瀬淡窓を生んだ広瀬家に連なります。父親は前大分県知事、祖父は日田市長や衆院議員を務めたという政治家一家に生まれました。東京で生まれ育ちましたが、昨年春頃、父の支援者からの打診を受け、「世界から見て競争力がなくなっている日本を元気にしたい」という思いから出馬を決意しました。
会社員時代には、中東やアメリカ駐在を経験。「商売上手なペルシャ商人との商談で鍛えられた」と語るイランでの経験は、政治家としての活動にも活かされることでしょう。政治資金規正法を巡る事件に対しては、「民間では収支をはっきりするのは当たり前だ」と厳しい目を向けます。
現在は、3人の子どもと妻を東京に残し、日田市を拠点に選挙区を精力的に回っています。「各地の産業を底上げする工夫はできる。皆さんと一緒に考えたい」と熱意を込めて語りました。