11月の米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は20日、東部ペンシルベニア州にあるファストフード大手マクドナルドの店舗で従業員体験をした。米メディアが報じた。トランプ氏は、民主党候補のハリス副大統領が「学生時代にマクドナルドでアルバイトしていた」と説明しているのは「ウソだ」と一方的に主張。従業員体験の姿を見せることで「庶民の気持ちが分かる指導者」を演出した。
報道によると、トランプ氏は、フライドポテトを詰めたり、ドライブスルーの窓口に立って客に商品を渡したりした。「正しく、速く仕事をするには技能が必要だ」と述べた。トランプ氏は事前に「友人が店舗の(フランチャイズ)オーナーをしており、店に行っていろんなことをやろうと思う」と語っていた。
トランプ氏は最近の演説やメディア出演で「ハリス氏はマクドナルドで働いたことはない」と盛んに強調しているが、主張を裏付ける根拠はない。ハリス陣営は「大学生だった1983年の夏休みに西部カリフォルニア州の店舗で働いていた」としている。
全米展開するマクドナルドでは米国民の8人に1人が働いた経験があるとも言われている。ファストフード好きとしても知られるトランプ氏は、「マクドナルド論争」を巻き起こすことで庶民派だと訴えたい思惑があるとみられる。【ワシントン秋山信一】