英国数や、理科に社会。学校で学んだことは、社会人になってからどのように役立つのでしょうか。『読んだら勉強したくなる東大生の学び方』を上梓する東大カルペ・ディエムの西岡壱誠さんが、数学を例に、学ぶことの意義についてお話しします。
■数学はなぜ勉強する必要があるのか
「なんで数学なんて勉強しなきゃならないの?」「電卓とか使えば計算なんてしなくていいから、算数なんて必要ない!」
子どものときに、こんなふうに考えたことがある人は、どれくらいいるのでしょうか? ちょっと大きくなって、数学に嫌気が差してくると、こう考える子どもも多いのではないかと思います。
この質問に対する答えにはさまざまなものがありますが、「子どもが納得しやすい答え」となると、なかなか難しいです。どんな答えなら、数学嫌いの子であっても「それは勉強しないといけないな」という気持ちになるのでしょうか?
東大生たちの中にも、子どもの頃「なんで数学なんて勉強しなきゃならないの?」と親御さんや先生方に質問した経験がある人もいるようです。それに対して、多くの東大生が「いちばん納得できた答えだった」と話していたのが、「騙されないため」というものでした。
大人になってから簡単に人に騙されないようにするためには、算数や数学の素養が不可欠だから、算数や数学を勉強するべきだ、ということです。
例えば、次の2つのグラフをご覧ください。
仮に、とある塾のパンフレットに、この2つのグラフが載っていたとします。そして、「このように、われわれの塾のほうがA塾よりも結果が出る人が多いです。ぜひ、うちに入会しませんか?」と書いてあったとしましょう。このとき、みなさんはこの塾が本当にA塾よりもいい結果を出していると思うでしょうか。
※外部配信先ではグラフを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
パッと見れば、この塾のほうが結果を出しているように感じられます。しかし、このグラフに対して、きちんと数学を勉強している人であれば、「ここはおかしい」と指摘できるポイントがいくつか存在することを見抜くことができます。
■グラフのさまざまな「ヘンなポイント」
みなさんはどこが間違っているか、わかりますか?