ウクライナ侵攻でロシア軍を支援する北朝鮮兵士。その内部で、驚くべき事態が起きていることが報じられました。ロシア国内で活動していた北朝鮮兵士18人が部隊を離脱し、拘束されたというのです。
食糧も指示もなく森に放置?
ウクライナメディアによると、拘束されたのはクルスク州とブリャンスク州の境界付近で部隊を離脱した18人。彼らは、軍事訓練を終えた後、数日間にわたり食糧も指示もなく森に放置されていたとされています。
この状況に耐えかねた一部の兵士が、ロシア軍の指揮部を探すため離脱したとみられています。彼らはその後、離脱地点から60キロメートル離れたコマリチでロシア当局に拘束されました。
ウクライナ侵攻の最前線に配置か?
当初、拘束された兵士を含む北朝鮮兵士40人は、クルスク州ホムトフカ地区でロシア軍と合同訓練を受けていました。訓練では、北朝鮮軍は軍事目的の「風船」の使用法を、ロシア軍は現代的な歩兵戦闘戦術を互いに教え合っていたとのことです。
訓練を終えた北朝鮮兵士たちは、その後、ウクライナとの国境に近いリゴフ地区へ再配置されました。この地域では、ウクライナ軍が一部地域を占領するなど、激しい戦闘が繰り広げられています。
ロシア軍と北朝鮮軍の連携に亀裂?
今回の事件は、ウクライナ侵攻におけるロシア軍と北朝鮮軍の連携に亀裂が生じている可能性を示唆しています。食糧不足や指示系統の混乱など、ロシア軍の兵站や組織運営の問題が露呈した形です。
また、一部メディアでは、ロシア軍が北朝鮮兵士で構成された「ブリヤート特別大隊」を組織しているとの情報もあります。もしこれが事実であれば、ロシア軍は深刻な兵力不足に直面している可能性も考えられます。
今後のウクライナ情勢、そしてロシアと北朝鮮の関係に、今回の事件がどのような影響を与えるのか、引き続き注目が必要です。
ウクライナ軍が公開した、ロシア軍から補給物資を受け取る北朝鮮兵士とみられる映像。ロシア軍と北朝鮮軍の連携の実態が明らかになりつつあります。
ウクライナ軍が戦場で回収したとされる北朝鮮製の武器。ロシア軍への軍事支援の実態を示す証拠の一つとなっています。