産経・FNNの衆院選情勢調査では、立憲民主党と国民民主党が大幅に議席を積み増し、小選挙区に多数の候補者を立てた共産党も伸ばしそうだ。一方、日本維新の会は現有議席の維持が難しく失速気味だ。
選挙戦で立民は、自民党の「政治とカネ」の問題に照準を絞り、政権批判票の掘り起こしに努めてきた。立民幹部は「全国の小選挙区を回ると、『自民を懲らしめたい』という有権者が実に多い。政権交代すると感じるぐらいの反応だ」と上機嫌に話す。
実際、終盤情勢を見ると、過去に自民と競り合っていた小選挙区での立民優勢が目立つ。立民と共産は142の小選挙区でぶつかるが、立民は順調に政権批判票を取り込んでおり、乱立の影響は限定的なようだ。
国民民主も大きく伸ばす見通しだ。国民民主幹部は「演説会場に多くの人が足を運んでくれる」と語る。選挙戦では「手取りを増やす。」のキャッチフレーズを前面に打ち出したが、狙い通り若年層や現役世代の取り込みに成功しつつある。支援する労組幹部は「想定以上の伸びかもしれない」と胸を膨らませる。
維新は2025年大阪・関西万博のコスト増問題などが響き、関西圏外で苦戦。立民や共産などは10年ぶりに政党同士の包括的な選挙協力なしで激突する。与党と主要野党の一騎打ちの小選挙区は52のみで、各党の地力の差が選挙結果にも表れそうだ。(千田恒弥)