近年、多くの企業が「女性管理職を増やそう」というスローガンを掲げ、女性活躍推進に取り組んでいます。しかし、その一方で、管理職になった途端に、過剰なプレッシャーやサポート不足に苦しみ、退職を選ぶ女性も少なくありません。
上昇する女性管理職への期待と、現実の壁
政府は2020年代のできるだけ早期に、管理職に占める女性の割合を30%にするという目標を掲げています。企業にも女性活躍推進法に基づいた行動計画の策定が義務付けられ、働き方改革や職場環境の整備も進んでいます。
しかし、帝国データバンクの調査によると、2023年8月時点の女性管理職の割合は平均で10.9%にとどまっています。目標達成にはほど遠く、国際的に見ても低い水準です。
なぜ女性管理職は辞めてしまうのか?
女性管理職が退職してしまう要因として、以下の3点が挙げられます。
1. 過剰な期待と過少なサポート
女性管理職には「女性ならではのリーダーシップ」を求められる一方で、具体的なサポート体制が整っていないケースが多く見られます。男性とは異なる視点や経験を期待されるものの、相談できる相手やロールモデルが不在で、孤立感を抱える女性も少なくありません。
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2. ワークライフバランスの破綻
管理職になると、責任や業務量は増大する傾向にあります。長時間労働や休日出勤が常態化し、家庭やプライベートとの両立が困難になるケースも少なくありません。特に、子育て中の女性にとっては、仕事と家庭の両立は大きな負担となります。
3. 昇進の天井と成長機会の欠如
女性管理職の多くは、昇進の機会が限られていると感じています。役員や経営層に女性が少なく、ロールモデルやメンターが不足していることも、キャリアアップへの障壁となっています。
女性が輝ける社会の実現に向けて
女性管理職の退職ラッシュを防ぎ、女性が能力を最大限に発揮できる社会を実現するためには、以下の取り組みが重要です。
- 女性管理職に対する適切な評価と報酬制度の導入
- mentoring や coaching などのサポート体制の充実
- 仕事と家庭の両立を支援する制度の拡充
- 女性社員の育成やキャリアアップ支援
企業は、女性管理職の育成に積極的に取り組み、女性が働きやすい職場環境を整備していく必要があります。