2024年、家電業界に明るいニュースが飛び込んできました! 電子情報技術産業協会(JEITA)の発表によると、2024年度上半期(4~9月)のテレビなど映像機器の出荷額は、なんと前年同期比4.2%増の2560億円を記録。これは、2019年以来、5年ぶりのプラス成長となります。
大型テレビが牽引!パリ五輪効果で需要拡大
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今回の成長を支えたのは、大型テレビの販売増加です。特に50型以上の大型テレビは、出荷台数で6.3%増の89万6000台、金額ベースではテレビ全体の約6割を占めるほどの人気ぶり。
その背景には、2024年夏に開催されたパリ五輪・パラリンピックの存在が大きく影響しています。「自宅の大画面で五輪を楽しみたい!」という消費者の熱気は高く、大型テレビの需要を押し上げました。
実際、五輪が開幕した7月のテレビ出荷台数は、前年同月比10.1%増と大きく伸びています。家電メーカーからは、「五輪効果に加え、記録的な猛暑で外出を控える人が増え、自宅で動画配信サービスを楽しむ人が増えたことも追い風になった」という声が聞かれます。
今後の課題は? 買い替え需要の喚起が鍵
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明るい兆しが見えるテレビ市場ですが、JEITAによると、テレビの出荷台数は、2019~2021年頃に地上デジタル放送への移行に伴う買い替え需要が一巡した後は、減少傾向にあります。
2020年以降はコロナ禍の巣ごもり需要で持ち直したものの、今回の出荷増は、パリ五輪という一時的な要因による可能性も否定できません。
家電量販店大手ビックカメラの担当者は、「大型スポーツイベントは、消費者の買い替えサイクルを早める効果がある。年末商戦に向けては、『省エネ家電』への買い替えを促す自治体の施策などと連携し、販売を強化していきたい」と語っています。
黒物家電全体では、自動車業界の影響で苦戦
一方、映像機器を含む黒物家電全体の出荷額は、0.2%減の5135億円と、3年連続のマイナスとなりました。
これは、自動車メーカーにおける認証不正問題による一時的な生産停止の影響を受け、カーナビなどの「カーAV機器」の出荷額が3.5%減の2259億円に落ち込んだことが響いています。
また、ブルーレイディスクレコーダーなどの録画関連機器の出荷台数も減少傾向にあります。ビックカメラによると、以前はテレビと同時に購入する人が多かったものの、最近は見逃した番組を配信サービスで視聴する人が増え、録画をする人が減っていることが背景にあるようです。