「寝ないで描きつづけた漫画家は…」水木しげるの言葉がぜんぜん人ごとじゃなくて震える…


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● 落語が持つ不思議な力で 「悩みが消えた」人たち

 お江戸上野広小路亭で隔月で独演会をやっています。

 コロナに悩まされること5年弱、収束を迎えつつあるとは言いながらも、「コロナが収まったら落語会に行きます」というメッセージをもらいながら、かつてのような集客にはつながらず、苦戦している落語家は私だけではありません。

 ただ、こんな環境でも、「こんな環境だからこそ落語に触れたい」「落語でしみじみといい気分に浸りたい」という一定数のありがたい方はいらっしゃるようで、難儀しながらも、どうにかこの稼業を続けられています。

 不思議ですよね、落語って。

 漫才やコントみたいに、爆発的な笑いが前提となっているわけではありません。歌舞伎みたいな様式美もありません。映画やドラマのような影響力もありません。

 でも、でもです。

 前述したお江戸上野広小路亭の独演会に、たまたま通りかかった若いお客さんが入ってきて、終演後に「なんだか、抱いていた悩みが消えていました」と言ってくれたのは一度や二度どころではありません。そして、そんな方に「よかったら、打ち上げで一杯やっていきませんか?気の置けない仲間ばかりですよ」とお誘いすると、「いいんですか」と一緒の席でビールを飲みながら落語家のバカ話に爆笑している。そんな姿を見ると、「案外、社会貢献しているのかもな」とふと思いたくなるものです。



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