激戦区・大阪6区 維新vs.公明、勝敗のカギ握る「無党派層」に熱視線

大阪府の最重要選挙区で火花散る攻防

衆議院選挙の投開票が27日に迫る中、大阪6区(大阪市旭区・鶴見区、守口市、門真市)では、日本維新の会と公明党が全面対決を繰り広げています。大阪府と兵庫県で激突する6つの小選挙区の中でも、この大阪6区は最激戦区と目されており、両党とも支持拡大に躍起になっています。

23日には、維新の吉村洋文共同代表(大阪府知事)と公明の石井啓一代表が、同じ場所である門真市の京阪古川橋駅前ロータリーで、時間差で街頭演説を行いました。

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吉村氏は自民党の派閥パーティー収入不記載事件に触れ、「公明は裏金議員を推薦している。まともな政治ができるのか」と批判。一方の石井氏は、高齢者医療費の窓口負担を増やす維新の公約を批判し、「高齢者に冷たい政党に日本の政治を任せるわけにいかない」と訴えました。公示後、石井氏が関西入りしたのはこれが初めてで、この日は大阪と兵庫の計6小選挙区を回りました。

維新は保守層、公明は無党派層へアピール

大阪6区では、維新新人の西田薫氏(57)と公明前職の伊佐進一氏(49)が激突します。勝敗のカギを握るとみられているのが、過去の衆院選で白票を投じた有権者です。

令和3年の前回選挙では、大阪6区の白票を含む無効票は約8%を占めました。公明候補が出馬した府内の他の3小選挙区では最大12%に達し、2%前後にとどまる他の府内小選挙区に比べて高くなっています。

これは、公明候補の小選挙区に自民候補が立たず、これまで維新も対抗馬を擁立してこなかったため、「投票先がない」と考えた保守系有権者が一定数いたとみられています。

この状況を踏まえ、西田陣営は保守層を意識し、「自民と公明の間で国家観、憲法観が大きく違い、防衛、外交政策の議論が進まなかった」と訴えています。

一方の伊佐陣営は、無党派層を重視しています。知名度が高い石破茂元首相(自民党)らを街頭演説に招き、交流サイト(SNS)などを活用し、公明支持層以外への発信を強化しています。

立憲民主党など、各党も支持を訴え

23日には、立憲民主党の西村智奈美総合選対副本部長が京阪守口市駅前(守口市)で、新人の福留陽子氏(55)の応援演説を行い、「一人一人の暮らしに目を向けた政治の実行」を訴えました。共産党新人の渡司考一氏(72)、参政党新人の月足舞子氏(33)も支持を呼びかけました。

大阪6区の選挙戦は、今後さらに激しさを増していくと予想されます。