昨年、中国上海で盛大に行われたハロウィンフェスティバルが今年は全面禁止される。上海警察が今月末、ハロウィンを控えて関連行事を禁止する計画だという現地警察内部の文書が公開されたためだ。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)は22日(現地時間)、「ソーシャルメディアに流出した上海警察内部の文書によると、上海黄浦地区の警察、高官、事業主らはハロウィン・コスプレ活動に対する『厳格な統制』を施行する予定だ」と伝えた。
中国でも上海はハロウィン文化が最も華やかなところとされる。古くから外国人が多く居住し、西洋文化に対する拒否感が低く、大型ショッピングモールやレストランなどでもハロウィンイベントを積極的に催しているためだ。
上海警察が黄浦地区周辺地域に配布した該当文書は「すべてのコスプレ活動が禁止され、いかなるハロウィン扮装も許されない」とし「最初は言葉で説得するが、協力しない場合は強制措置を取るしかない」と明らかにした。
文書には「該当地域内のビルはカボチャ、幽霊、棺、骸骨などいかなるハロウィン装飾もしてはならず、恐怖や暴力関連要素も許されない」とし「このようなことが摘発された場合、行事は直ちに中止されるだろう」と記されている。
また、「オンライン・オフラインの全ての販促物品でハロウィン関連用語や英語も禁止される」とした。
RFAは最近、中国のソーシャルメディアに今年上海の街でハロウィン祭りを楽しもうという書き込みが掲載されると、当局が行動に乗り出したと話した。
中国動画配信サイト「抖音」には「上海巨鹿路の2024ハロウィン行事に参加するには、最上の日付は10月26~27日午後5時から11時の間だ」などのコメントが書き込まれたと伝えられた。
今回の取り締まりは昨年ハロウィンに登場した「政府批判」のコスプレの影響とみられる。当時、上海の若者たちは中国当局の検閲対象となる「くまのプーさん」をはじめ、中国の「ゼロコロナ」3年を象徴する新型コロナの防疫要員などに扮装した。
これに先立って2013年、中国の習近平国家主席が米国を訪問した時、当時バラク・オバマ大統領とともに歩いていく姿が絵本の中の主人公であるくまのプーさんとプーの虎の友人「ティガー」にそれぞれ似ているとし、一部のネットユーザーが風刺を始めた後、プーさんは習主席を批判するキャラクターとなった。
RFAは「昨年の上海ハロウィンフェスティバルで若者たちの服装は政府に対する風刺的な批判であり、中国に輸入された西洋フェスティバルに対する当局の公式的な嫌悪に対する抵抗だった」と説明した。
また「昨年の服装は問題に巻き込まれないまま当局に政治的な一発を食わせる、比較的に安全な方法に見えたが、今年のフェスティバルの参加者たちは上海当局と衝突する可能性がある」と指摘した。