【衆院選】中高年こそ「政治離れ」、深刻さは若者以上!背景に「いい大人」の若者化や地域社会の崩壊


【図】「裏金議員」46人の一覧リスト こんなにもらっていたのか!

■ 50代で進む「政治離れ」

 ──松本さんは以前から、「若者の政治離れ」よりも「中高年の政治離れ」の方が深刻だと主張されてきました。どういうことでしょうか。

 松本正生・埼玉大学名誉教授(以下、敬称略):まず前提として、中高年の方が若者より投票率が高い状況は続いています。ただ、私が注目しているのは、全体の投票率が上がったときには、その上昇幅は中高年の方が小さく、逆に投票率が下がったときは、下落幅が中高年の方が大きくなっていることです。つまり、国政選挙・地方選挙ともに「中高年の方が若者より、政治への関心度の低下が大きい」ように見えることです。

 データは私が主な研究対象にしているさいたま市のデータを中心に見ていきますが、こうした状況は全国的にも広がっているのではと推測しています。

 まず、直近のさいたま市における、国政選挙の年齢別投票率を見てください。2022年の参院選の投票率は全年代で52.39%、2019年は48.11%だったので4.28ポイント上昇しました。

 注目すべきはその上昇幅が若者の方が大きいことです。22年の20代の投票率は37.53%でしたが、19年から6.44ポイント上がっています。他方、50代の上昇幅は3.38ポイント、60代は1.74ポイントとなっています。若者はそもそも投票率が低かったので、全体の関心が高まれば上昇幅が大きくなる可能性も否めませんが、気になる現象です。

 市議選や県知事選などの地方選挙においては、「中高年の政治離れ」の傾向がより顕著です。下の表を見てください。07年と11年のさいたま市議選・埼玉県知事選を比較すると、中高年の投票率の方が、20~30代の投票率よりも減少幅が大きいことがわかります。19年と23年の埼玉県知事選でも同様の傾向が見られるのです。

 ──中高年の投票率が下がっているのはなぜでしょうか。



Source link