10年前の17位から大躍進…東大、京大に次ぐ3位!国家公務員総合職「合格者が激増」の意外な大学


ネット上に誇らしげな文字が躍る。今年、国家公務員総合職の合格者が激増した大学の公式ホームページだ――。

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公式ホームページを運営するのは京都府の立命館大。以下が中央官庁の幹部(キャリア)候補生である国家公務員総合職合格者、’24年度の出身大学上位5位である。

1位:東大 189人

2位:京大 120人

3位:立命館大 84人

4位:東北大 73人

5位:早稲田大 72人

◆10年前は東大だけで合格者の23%

国家公務員総合職の合格者は、かつて東大や京大など名門大学が独占していた。10年前(’14年度)の出身大学上位5位は以下の通り。今年度と比較すると、上位3大学の人数の多さに目をひかれる。

1位:東大 438人

2位:京大 160人

3位:早稲田大 140人

4位:慶応大 92人

5位:東北大 78人

当時はトップの東大だけで、全合格者約1900人の23%近くを占めていたのだ。だが近年、東大の国家公務員離れが加速している。

「国の運営に携わる中央官庁キャリアの仕事は、確かにやりがいがありますが激務ですからね。月の残業が100時間を超えることは当たり前。繁忙期には徹夜することもあります。さらに安倍晋三政権が内閣人事局を設置し、国家公務員が政策を立案する『官僚主導』から『政治主導』になりました。東大生にとって、中央官庁の魅力が以前より薄らいだ要因でしょう」(全国紙経済部記者)

代わりに東大生の間で人気が上昇しているのがコンサルタントだ。さまざまな業界にコンタクトし専門的なスキルが身につくうえ、収入が良く経営を左右する決断にたずさわることができる。より大きなやりがいを求める東大など名門大学の学生の間で、国家公務員離れが加速するのも当然だろう。

◆近畿地方出身者の比率に差

大学ジャーナリストの石渡嶺司氏が話す。

「現在の就職戦線は、東大や京大などの名門大学にとって売り手市場です。コンサルタントなど好条件の企業を、大学生側から選べます。苦労の多い中央官庁より、民間企業で働くほうがメリットが大きいと考える学生が多いのでしょう」

一方で、国家公務員総合職の合格者数を激増させた意外な大学がある。冒頭で紹介した立命館大だ。’14年の28人から今年は84人に増加。大学ランキングも17位から3位に躍進したのだ。前出の石渡氏が解説する。

「立命館大は大学全体で公務員就職支援に熱心です。’13年には行政のリーダーを養成するプログラム『立命館霞塾』を開講。現役の国家公務員キャリアによる講演会やディスカッションも積極的に行っています。中央官庁で働けるという学生の上昇志向と大学の公務員就職支援が、うまくマッチしたのでしょう。

『関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)』といわれる関西の名門私立大学の中でも、立命館大には国家公務員総合職の試験にチャレンジする要素がもっとも濃い。他の3大学も公務員就職支援に熱心ですが、近畿地方出身者の比率が6~8割と高く志望先は大阪府職員など関西が中心です。一方の立命館大は近畿地方出身者の比率が半分ほど。関西の他大学より、中央への意識が高いのでしょう」

立命館大が、中央官庁キャリアで最大派閥を作る日もそう遠くないかもしれない。

FRIDAYデジタル



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