日本人のメジャーな死因を予防する「歯磨き」よりも大事な習慣とは?


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● 誤嚥性肺炎を予防するには 「歯みがき」よりも「舌そうじ」

 唾液と一緒に食べカスが、あるいは口の中の細菌が気管から肺へと流れ込み、それが蓄積し、炎症を起こして肺炎に――。

 今や日本人の“メジャーな死因”となっている誤嚥性肺炎。近年、とりわけ物を飲み込む嚥下機能が衰えた高齢者にとって、この肺炎は大きな恐怖の対象になっています。

 しかし誤嚥と、それに伴う「むせ」は、高齢者に限らず、老若男女誰しもが避けることはできません。「むせるな!」と言ったところで、そんなことは誰にもできないのです。

 ならば、誤嚥性肺炎を防ぐにはどうすればいいのか。誤嚥しても肺が菌塗れにならないように、口腔環境を清潔に保っておけばいいわけです。いくらむせを招くような誤嚥をしたとしても、肺に流れ込む“ゴミ”が少なければ、肺が炎症を起こすまでには至らないからです。

 すると皆さん、歯みがきを熱心にすることで口の中をキレイに保とうとしがちです。しかし、この“常識”は必ずしも正しいとは言えません。なぜなら、口腔内で細菌が一番繁殖しているのは、歯ではなく舌だからです。つまり、誤嚥性肺炎を予防するために最も有効な口腔ケアは、「歯みがき」ではなく「舌そうじ」なんです。

 指導を始める前に、まずは施設の実態を知っておこうと見学に行ったところ、すぐにある異変に気が付きました。

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 「なんだこの臭いは」

 施設に足を踏み入れた途端、悪臭が鼻をつき、気分が悪くなって5分と室内にいられないほどでした。

 入居者は高齢者ですから、オムツの悪臭かもしれないとも思いましたが、どうも違うような気がする。ひょっとしたら、これは口臭ではないか。そう思って何人かの入居者の口の中を見せてもらったら、歯はそれほど汚くありませんでした。一方で、とにかく舌が汚れていた。



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