【ロンドン=黒瀬悦成】英BBC放送は27日、自民、公明両党が過半数割れの大敗を喫した同日実施の衆院選に関し「日本の選挙は通常、安定的で退屈だが今回は違った」と指摘し、自民党議員による裏金問題が有権者の怒りを買ったせいで「劇的な投票結果につながった」と評した。
【写真】和歌山2区で敗北が確実となり、あいさつする二階伸康氏。その後、比例復活もならなかった
石破茂首相が解散総選挙に踏み切ったことについては「政治的な賭けが裏目に出た。有権者の怒りと、怒りに基づく行動を過小評価していた」と指摘した。
また、自民党は今後、他党との連立交渉で生き残るための妥協を迫られると分析する一方、有権者は政権交代を望んでいるわけではなく、「勝者は誰もいなかった」とした。
与党の弱体化で日本の政治的安定が損なわれることへの懸念も示した。
英紙タイムズ(電子版)は「総選挙の結果は石破氏への大打撃となった。石破氏は威信を回復できそうにない」とし、石破氏とライバル関係にある高市早苗衆院議員が日本初の女性首相を再び目指す流れに道を開く可能性があるとの見方を示した。