韓国大法院(最高裁)で日本企業の敗訴が確定した元徴用工の訴訟をめぐり、韓国政府の解決策に反対していた原告の1人が受け入れに転じた。韓国外交省が30日、政府傘下の財団から賠償金相当額と遅延利子が支払われたと発表した。
【写真】韓国南西部・光州で2022年9月2日、元徴用工の李春植さん(左)と面会する韓国の朴振外相(当時)=代表撮影
支援団体によると、この原告は反対を続けてきた3人の中で唯一、存命の李春植(イチュンシク)さん(100)。李さんが受け入れに転じた理由は明らかになっていない。2018年の判決で勝訴が確定した15人のうち、生存者は李さんと元女子勤労挺身(ていしん)隊員の女性の2人だが、いずれも賠償金相当額を受け取ったことになる。
李さんはこれまで日本政府の謝罪と被告企業による直接の賠償を求め、賠償金相当額の受け取りを拒否していた。(ソウル=太田成美)
朝日新聞社