中国の核弾頭保有数が、従来の推計を大幅に上回る可能性が浮上しました。米国防総省情報局(DIA)が10月23日に公表した報告書によると、中国は核戦力の近代化を急速に進めており、2030年までに核弾頭保有数が1000発を超える可能性があるとのことです。
米DIA報告書が明らかにした中国の核戦力増強の実態
DIAの報告書は、中国の核戦力増強の現状を詳細に分析しています。2018年以降、中国の運用可能な核弾頭は2倍以上に増加し、既に500発を超えていると推定されています。このペースで増加が続けば、2030年までには1000発を超える可能性があるというのです。
中国の核ミサイル発射の想像図
報告書では、中国がミサイルサイロ数百基の建設に着手していることや、ロケット軍が高性能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発していることにも言及しています。グアムの米軍基地に到達可能な「東風26」のような道路移動式ミサイルの製造も継続しているとのことです。
核先制不使用方針と矛盾する可能性
中国は核先制不使用方針を表明していますが、DIAは、通常兵器攻撃によって核戦力が脅かされた場合や、核攻撃と同等の戦略的効果を持つ攻撃を受けた場合、中国が核攻撃を検討する可能性があると指摘しています。
例えば、台湾有事において中国が劣勢に立たされ、体制の存続が脅かされた場合、核兵器の使用が選択肢となる可能性も否定できません。防衛専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「中国の核戦力増強は、地域の安全バランスに大きな影響を与える可能性があり、注視していく必要がある」と警鐘を鳴らしています。
東アジアの安全保障への影響
中国の核戦力増強は、日本を含む東アジア地域の安全保障に重大な影響を及ぼす可能性があります。 日本政府は、中国の軍事動向を注視し、適切な対応策を講じる必要があるでしょう。
中国の軍事パレードの様子
まとめ:国際社会の対応が求められる
中国の核戦力増強は、国際社会全体の安全保障にも関わる問題です。 核兵器の拡散を防ぎ、軍縮を進めるための国際的な取り組みが、これまで以上に重要となっています。 今後の中国の動向に注目が集まっています。