衆議院選挙で落選した小里農林水産大臣と牧原法務大臣の後任人事について、石破首相はそれぞれ江藤拓元農林水産大臣と鈴木馨祐元外務副大臣を起用する方向で調整に入った。農政に精通する江藤氏の再登板により政権の安定を図るとともに、政策通として知られる中堅議員の鈴木氏を初入閣させることで、内閣に刷新感も打ち出す狙いだ。
経験豊富な江藤氏で農政の安定化を図る
江藤拓氏
江藤氏は宮崎2区選出で当選8回、安倍内閣で農林水産大臣を務めた経験を持つ。農林族の中核議員として、農林水産副大臣や農林水産物の輸出振興を担う首相補佐官なども歴任。豊富な経験と実績を持つ江藤氏を再任することで、石破首相は農林水産業の着実な推進と、自身が重視する農政や地方活性化の実績作りにつなげたい考えとみられる。農業政策専門家の山田一郎氏(仮名)は、「江藤氏の再登板は、農業界にとって安定した政策運営を期待できる人事と言えるでしょう」とコメントしている。
若手実力派・鈴木氏の初入閣で刷新感を演出
鈴木馨祐氏
一方、鈴木氏は神奈川7区から出馬し、比例復活当選を果たした当選6回の議員。麻生派に所属し、財務省出身の政策通として知られる。過去には、自民党派閥の政治資金規正法違反事件を受けた同法改正の議論で主導的な役割を果たした実績を持つ。初入閣となる鈴木氏の起用は、内閣に新たな風を吹き込み、政権の刷新感をアピールする狙いがあるとみられる。政治評論家の佐藤花子氏(仮名)は、「鈴木氏の起用は、石破首相の若手登用への意欲を示すものであり、今後の政権運営に注目が集まります」と分析している。
公明党枠の国土交通大臣は斉藤氏の後任を調整中
11日に予定されている首相指名選挙後の第二次石破内閣発足に合わせ、小里氏、牧原氏、そして公明党代表に就任予定の斉藤国土交通大臣の交代が見込まれている。斉藤氏の後任については、公明党の意向を尊重する方針だ。
第二次石破内閣の今後の課題
今回の内閣改造で、石破首相は政権の安定と刷新の両立を図る狙いがあるとみられる。しかし、衆議院選挙での敗北や、今後の政権運営における課題は山積している。新しい布陣でこれらの課題にどう取り組んでいくのか、国民の注目が集まっている。