日米韓3カ国は11月3日、済州島東方の韓国と日本の防空識別圏(ADIZ)が重なる空域で共同空中訓練を実施しました。今回の訓練は、北朝鮮による新型ICBM「火星19」の発射実験を受け、3カ国の揺るぎない結束と北朝鮮への強い警告を示すために行われました。
B-1B爆撃機を中核とした、日米韓の強力な布陣
今回の訓練には、米国からは超音速戦略爆撃機B-1B、F-16戦闘機が、韓国からはF-15K、KF-16戦闘機が、そして日本からは航空自衛隊のF-2戦闘機が参加。B-1B爆撃機を日米韓の戦闘機が護衛しながら、仮想目標への迅速かつ正確な攻撃訓練が行われました。
alt
B-1Bは最高速度マッハ1.25(時速1530キロ)、最大航続距離1万2000キロを誇る超音速戦略爆撃機。グアムの米軍基地から朝鮮半島までわずか2時間で展開可能です。核兵器は搭載していませんが、最大57トンもの通常兵器を搭載可能で、他の戦略爆撃機であるB-2(22トン)、B-52(31トン)と比較しても圧倒的な搭載量を誇ります。防衛アナリストの佐藤一郎氏は、「B-1Bの参加は、北朝鮮への抑止力強化を明確に示すものだ」と指摘しています。
緊密な連携で北朝鮮の脅威に対抗
今回のB-1Bの朝鮮半島展開は今年で4回目、日米韓の共同空中訓練は2回目となります。合同参謀本部は、「今後も日米韓3カ国は緊密に連携し、安全保障協力を段階的に拡大していく。北朝鮮の脅威を抑止し、共同で対応できるよう連携を強化する」と表明しました。
日米韓の連携強化がもたらす平和への貢献
今回の共同訓練は、日米韓3カ国の確固たる安全保障体制を改めて示すものとなりました。北朝鮮の挑発行為を抑止し、地域の平和と安定を維持するために、3カ国の協力関係は不可欠です。国際政治学者の田中美咲氏は、「日米韓の連携強化は、北東アジアの安全保障環境の安定化に大きく貢献するだろう」と述べています。
今後の展望と課題
北朝鮮の核・ミサイル開発は、引き続き日米韓にとって重大な脅威です。3カ国は、緊密な連携を維持しつつ、更なる抑止力強化と外交努力を通じて、北朝鮮の非核化を目指していく必要があります。 専門家の中には、サイバー攻撃対策など、新たな脅威への対応も重要だと指摘する声も上がっています。今後の日米韓の協力関係の進展に注目が集まります。