開票速報で優勢に見えた候補が、最終的に敗北する。まるで蜃気楼のように、一時の勝利が消え去る。近年の米国大統領選挙で注目を集める「赤い蜃気楼(しんきろう)」、または「ブルーシフト」と呼ばれる現象について、jp24h.comが分かりやすく解説します。
「赤い蜃気楼」現象とは?
「赤い蜃気楼」とは、開票速報の段階では共和党候補がリードしているように見えても、後から集計される郵便投票によって、その優位性が覆される現象です。 選挙当日の夜に起こることもあれば、数日後に逆転劇が繰り広げられることもあります。
alt: 期日前投票所で列に並ぶ有権者
2020年大統領選を振り返る
2020年の大統領選挙では、トランプ前大統領とバイデン現大統領の接戦が繰り広げられました。アリゾナ、ノースカロライナ、ネバダなど、多くの激戦州で勝敗がすぐには決まらず、数日間にわたる票集計が行われました。
ジョージア州では、バイデン氏がリードを確立したのは11月6日の未明でした。僅差の選挙戦において、郵便投票の集計がいかに重要であるかを示す出来事でした。CNNがバイデン氏の勝利を報じたのは、投票日から4日後の11月7日でした。
なぜ「赤い蜃気楼」は起こるのか?
マサチューセッツ工科大学の研究によると、バイデン氏が勝利した郡の票集計は、トランプ氏が勝利した郡よりも平均して時間がかかったとのこと。 これは、郵便投票の増加と、その集計方法が大きく影響しています。民主党支持者の間では郵便投票の利用率が高く、これらの票が集計に反映されるまでに時間を要することが、「赤い蜃気楼」現象の背景にあるのです。
郵便投票と開票のタイムラグ
カリフォルニア州など、民主党の支持基盤が強い州では、全ての登録有権者に郵便投票用紙が送付されます。これらの票の集計には時間がかかるため、最終的な結果が出るまでにタイムラグが生じます。
2016年の大統領選挙でも「ブルーシフト」は発生していましたが、結果を覆すまでには至りませんでした。しかし、2020年の選挙では、この現象が勝敗を左右する重要な要素となりました。
選挙結果確定までのプロセス
報道機関は、大勢が判明した時点で勝利予測を報じますが、公式な選挙結果は、各州の選挙管理委員会による承認を経て確定されます。 再集計が必要な場合、2024年の大統領選では12月11日までに完了する必要があります。
「赤い蜃気楼」現象は、現代の選挙における郵便投票の重要性と、開票システムの複雑さを浮き彫りにしています。 jp24h.comでは、今後も米国の政治動向を分かりやすくお伝えしていきます。