連続強盗事件の新たな展開が明らかになり、捜査は混迷を深めています。東京・葛飾区の住宅強盗事件では40人目の逮捕者が出た一方で、横浜の強盗殺人事件では回収役の女が逮捕され、その背景に夫の関与が疑われています。
恋人の通報で逮捕された男
葛飾区の事件では、23歳の無職・本橋日尚太容疑者が逮捕されました。驚くべきことに、逮捕のきっかけとなったのは、交際相手の女性からの通報でした。「彼氏が葛飾の強盗に関与しているかもしれない」と、彼女は交番に訴え出たのです。
葛飾区の住宅強盗事件の報道写真
本橋容疑者は、既に逮捕されていた山内裕太容疑者(29)と共に、70代の男性宅に押し入り、顔を殴り粘着テープで縛り上げるという凶悪な犯行に及んだとされています。警察は防犯カメラの映像などから2人を特定。山内容疑者は現場に10時間ほど留まり金品を物色していた一方、本橋容疑者は一度現場を離れ、戻ってきた際に警察官の姿を見て逃走したとされています。
本橋容疑者は「金が欲しかった」と供述。X(旧Twitter)で「即日バイト」と検索し、闇バイトに誘導されたと説明しています。空き巣は嫌だと伝えたものの、「ここで引き下がるんじゃない」と脅迫され、犯行に及んだとのこと。犯行中は指示役と通話していたことも明らかになっています。
事件に関与したとされる人物の中には、逮捕されるまで何度も犯行を繰り返していた実行役もいるという情報もあり、連続強盗事件の闇の深さが改めて浮き彫りになっています。今回の事件では、恋人からの通報が逮捕につながった形となり、まさに運命の皮肉と言えるでしょう。
横浜事件で逮捕の女、夫の関与を供述
一方、横浜の強盗殺人事件では、30歳の木本未穂容疑者が逮捕されました。木本容疑者は奪われた金の回収役とみられており、「夫から何度もお願いされて引き受けてしまいました」と供述しています。捜査関係者によると、木本容疑者は指示役とは「夫の仲介で知り合った」と説明しており、警察は夫の事件への関与についても捜査を進めています。
著名な犯罪心理学者の田中教授(仮名)は、「今回の事件は、組織的な犯罪の構造だけでなく、家族や恋人といった身近な人間関係が犯罪に利用されるという恐ろしい現実を突きつけている」と指摘しています。金銭欲や脅迫だけでなく、家族からの懇願といった心理的な圧力が犯罪に加担する動機となるケースも少なくないようです。
まとめ
連続強盗事件は、実行役の逮捕だけでなく、指示役や回収役など、事件に関与する様々な人物の摘発へと捜査が拡大しています。背景には、闇バイトによる勧誘や組織的な犯行指示、そして家族や恋人といった近しい人間関係の利用といった複雑な要因が絡み合っていることが明らかになってきました。今後の捜査の進展が注目されます。