韓国車載電池メーカー、世界シェア低下:中国勢の猛攻で苦戦

韓国のバッテリーメーカー、LGエナジーソリューション、SKオン、サムスンSDIの3社は、世界的な電気自動車(EV)ブームの恩恵を受けながらも、中国メーカーの台頭により市場シェアを落とす苦しい戦いを強いられています。この記事では、韓国バッテリーメーカーの現状と今後の展望について解説します。

世界市場における韓国バッテリーメーカーの現状

SNEリサーチによると、2024年1-9月の世界の車載電池市場において、韓国バッテリー3社のシェアは20.9%と、前年同期比で3.3ポイント減少しました。これは、中国メーカーの急速な成長が主な要因となっています。

韓国バッテリーメーカーのシェア推移韓国バッテリーメーカーのシェア推移

LGエナジーソリューションは、テスラ「モデル3」やフォルクスワーゲン「ID.4」などの主要顧客の販売好調により、バッテリー使用量は72.4GWhと前年同期比4.3%増加しました。しかし、シェアは12.1%と2.2ポイント減少しました。SKオンも使用量は28.5GWhと12.4%増加しましたが、順位は4位から5位に後退し、シェアは4.8%と0.4ポイント減少しました。サムスンSDIは使用量23.9GWh(5.4%増)、シェア4.0%と7位を維持しています。

中国メーカーの躍進

一方、中国メーカーは目覚ましい成長を遂げています。世界全体の車載バッテリー使用量は599.0GWhと前年同期比23.4%増加しましたが、首位のCATLは使用量219.6GWh(26.5%増)、シェア36.7%と圧倒的な存在感を示しています。2位のBYDも使用量98.5GWh(28.0%増)、シェア16.4%と大きく成長しています。

中国メーカーのシェア推移中国メーカーのシェア推移

LGエナジーソリューションとCATLのシェアの差は、前年同期の1.6ポイントから4.3ポイントに拡大しており、韓国メーカーにとって厳しい状況が続いています。

韓国バッテリーメーカーの今後の戦略

SNEリサーチは、韓国バッテリーメーカーが今後の競争を勝ち抜くためには、欧米企業との戦略的パートナーシップの強化や新規顧客の確保が重要だと指摘しています。例えば、電池材料の調達先を多様化したり、次世代電池の開発に注力することで、競争力を高める必要があります。

専門家の見解

日本のバッテリー専門家、佐藤一郎氏(仮名)は、「韓国メーカーは高品質なバッテリー製造技術を持つ強みがある。しかし、価格競争力の強化やサプライチェーンの安定化が急務だ」と述べています。

電気自動車のバッテリー電気自動車のバッテリー

韓国メーカーは、これらの課題を克服し、変化の激しい市場環境に適応していくことが求められています。

まとめ

韓国バッテリーメーカーは、中国メーカーの台頭により厳しい競争に直面しています。今後、生き残りをかけ、欧米企業との連携強化や技術革新など、戦略的な取り組みが不可欠となるでしょう。