首都圏強盗事件の闇:巧妙化する手口とSNSの罠

首都圏で頻発する強盗事件。他人事と思っていませんか?実は、その危険はすぐそばに潜んでいるかもしれません。「金に困ったグループが手当たり次第に犯行を繰り返している」と事情通は語ります。巧妙化する犯罪組織の手口と、SNSを悪用した闇バイトの実態に迫ります。

闇バイトの実態:若者を狙う巧妙な罠

闇バイトのイメージ:覆面をした人物闇バイトのイメージ:覆面をした人物

闇バイト経験者の証言を元に、典型的な犯行の手口を再現してみましょう。指定された集合場所に行くと、数人の男たちが待っていました。やがてバンが到着し、同時に匿名メッセージアプリ「テレグラム」に指示が届きます。「車に乗ってください」。車内は異様な緊張感に包まれ、逃げ出すこともできません。20分ほど走ると、閑静な住宅街の一軒家の前で停車。「ここからは通話で指示します」とリーダー。無線イヤホンを装着すると、隣からバールを手渡されます。「しまった、闇バイトだ…」と気づいても、すでに遅すぎます。指示に従い窓ガラスを割り、家屋に侵入。奥の部屋からは、老人が暴行される音が聞こえてきます。金目のものを集め、逃走――。

SNSを悪用した勧誘:「#ホワイト案件」の嘘

スマートフォンを操作する手スマートフォンを操作する手

多くの若者は、闇バイトとは知らずに勧誘に応じます。SNS上で普通のアルバイトだと思って応募し、犯罪に加担させられてしまうのです。マイナビの調査によると、高校生の約半数、大学生の3割以上がSNSでアルバイトを探した経験があると回答しています。この現状を悪用するのが、半グレなどの犯罪集団です。犯罪ジャーナリストの石原行雄氏(仮名)は、「以前は『UD(受け出し)』などの隠語が使われていましたが、『ルフィ事件』以降、『#ホワイト案件』という言葉で勧誘するようになり、一般の若者も騙されやすくなっています」と指摘します。

広がる闇バイトの募集:求人サイトにも潜む危険

パソコンのキーボードを打つ手パソコンのキーボードを打つ手

さらに、SNSだけでなく、一般的な求人サイトやスキマバイトアプリでも、闇バイトが募集されているケースが増えています。一見普通の仕事に見せかけ、応募者を巧妙に犯罪に巻き込む手口が広がっています。「高収入」「日払い」「簡単」といった言葉に惑わされず、応募内容をよく確認することが重要です。怪しいと感じたら、すぐに応募を取り下げ、警察や関係機関に相談しましょう。