プーチン大統領、新世界秩序形成に向けた闘争を主張:崩壊する西側主導体制とロシアの役割

世界は今、大きな転換期を迎えている。ロシアのプーチン大統領は、11月7日にソチで開催された国際有識者会議「バルダイ・クラブ」において、冷戦後の西側主導の国際秩序が崩壊しつつある中で、新たな世界秩序を形成するための闘争が進行中であると主張した。この発言は、国際社会にどのような影響を与えるのだろうか。

西側諸国の「無謀な冒険」を批判

プーチン大統領は、米国をはじめとする西側諸国がウクライナにおいてロシアに戦略的な敗北をもたらそうとしていると非難。核保有国であるロシアに対するこのような行動は「無謀な冒険」であると警告した。

プーチン大統領(2024年11月7日撮影)プーチン大統領(2024年11月7日撮影)

ソ連崩壊後の西側の対応とNATOの時代遅れ性

プーチン大統領は、1991年のソ連崩壊後、西側諸国、特に米国はロシアを敗北国として扱ってきたと主張。NATOについても時代遅れであると指摘し、西側諸国によるロシア孤立化の試みは成功しないと断言した。国際政治アナリストの田中一郎氏も、「NATOの東方拡大はロシアの安全保障上の懸念を無視してきた側面があり、現在の状況の一因となっている」と指摘する。

新世界秩序形成への闘争とロシアの役割

プーチン大統領は、世界は変化しており、多くの国がロシアの孤立を望んでいないと強調。「古い世界秩序は消滅しつつあり、新たな秩序の形成に向けた厳しい闘争が展開されている」と述べ、その中でロシアは重要な役割を果たすと主張した。経済学者である佐藤花子氏は、「BRICSなどの新興国の台頭は、多極化が進む国際社会の象徴であり、プーチン大統領の発言もその流れを汲むものと言える」と分析している。

バルダイ会議の様子バルダイ会議の様子

プーチン大統領の発言は、ウクライナ紛争の長期化や国際情勢の緊迫化が続く中、今後の世界秩序を巡る議論をさらに活発化させることは間違いない。多極化が進む世界において、各国はどのように協調し、新たな秩序を構築していくのか、今後の動向に注目が集まる。