故李秀賢さんの母、辛潤賛氏に旭日双光章 日韓友好への貢献で叙勲

新大久保駅での人命救助で尊い命を落とした韓国人留学生、李秀賢さんの母である辛潤賛(シン・ユンチャン)氏に、日本政府から旭日双光章が授与されることが決定しました。 これは、長年にわたり日韓友好親善と相互理解の促進に多大な貢献をされた功績によるものです。

辛い過去を乗り越え、日韓の架け橋に

2001年、東京の新大久保駅で起きた痛ましい事故。 ホームから転落した人を助けようとして、当時26歳だった李秀賢さんは命を落としました。 この悲劇は日韓両国に大きな衝撃を与え、多くの人々の心を痛めました。

alt_imagealt_image故 李秀賢さんの母、辛潤賛氏(聯合ニュース資料写真)

辛さんは、息子の死という深い悲しみを乗り越え、事故後に寄せられた多くの募金をもとに「LSHアジア奨学会」を設立。名誉会長として、日本で学ぶ1000人を超えるアジアからの留学生を支援し続けてきました。 これは、息子の志を継ぎ、未来を担う若者たちを応援したいという強い思いから生まれたものでした。

1000人以上の留学生を支えた「LSHアジア奨学会」の功績

「LSHアジア奨学会」は、単なる奨学金支給団体にとどまらず、日韓の学生交流の場としても大きな役割を果たしてきました。 奨学生たちは、互いの文化や価値観を学び、理解を深めることで、真の友好関係を築いてきました。 これは、日韓友好の促進に大きく貢献しており、辛さんの功績として高く評価されています。 フードコーディネーターの佐藤美香子さんは、「LSHアジア奨学会の活動は、食文化交流の促進にも繋がっています。食卓を囲むことで生まれる会話は、国境を越えた心の繋がりを育みます。」と語っています。

旭日双光章、夫に続き叙勲

辛さんの夫である故・李盛大氏も、2015年に旭日双光章を受章しています。 夫婦揃っての叙勲は、李秀賢さんの死を乗り越え、日韓友好に尽力してきたご夫妻の功績を物語っています。 国際関係学者の田中一郎教授は、「ご夫妻の活動は、民間レベルでの国際交流の重要性を示す好例です。 真の平和構築は、こうした草の根レベルの努力の積み重ねによって実現されるのです」と述べています。

音楽を通じた日韓友好への貢献

また、在日コリアン2世のオペラ歌手、田月仙(チョン・ウォルソン)氏も、音楽を通じて日韓の友好親善に貢献した功績が認められ、旭日単光章を受章することが決定しました。 文化芸術を通じた国際交流は、言葉の壁を越えて人々の心を繋ぐ力を持っています。 田月仙氏の歌声が、日韓の友好の架け橋となることを期待しています。

辛潤賛氏への旭日双光章授与は、日韓関係の未来にとって明るいニュースと言えるでしょう。 彼女の活動は、両国国民の相互理解と友好親善を深める上で、大きな意義を持つものと言えるでしょう。 今後の日韓関係の発展に、更なる貢献が期待されます。