自民党内で「石破おろし」の声が沸き起こる中、時事通信の最新世論調査では、自民党支持層の65.9%が「辞任すべきと思わない」と回答し、石破総理の「続投」を支持する世論が高まっています。この状況について、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した政治ジャーナリストの青山和弘氏が、その背景にある主な要因を深く掘り下げて解説しました。
世論調査が示す「石破総理続投」支持の背景
青山氏が指摘する石破総理の続投支持が高まる理由は複数あります。
「裏金議員」への強い反発
青山氏が自民党内を取材したところ、まず「石破おろし」を進めているのは、いわゆる「裏金議員」たちであり、これに対する強い反感が存在するといいます。「裏金議員が何を石破おろしをしているのか」という批判的な視点が、世論の支持に影響を与えているようです。全ての「石破おろし」派が裏金問題に関与しているわけではありませんが、現在の自民党の厳しい状況を作り出した人々がこの動きを主導していることへの反発が、大きな要因の一つとされています。
好調な日本経済への配慮
次に挙げられるのは、日本の経済状況です。現在、日本の株価は史上最高値を更新するなど、経済は好調を維持しています。このような中で総理大臣を交代させることは、この良好な流れに水を差す可能性があり、特に財界関係者の間では「今は現状維持で良い」という考え方が支配的です。経済の安定を優先する声が、石破総理の続投を後押ししています。
石破首相の「続投」を支持する声が高まる背景と「ポスト石破」への期待感の低さ
「ポスト石破」への期待感の低さ
そして、「ポスト石破」への期待感が低いことも重要な要因です。石破総理を交代させること自体は議論されるものの、「次に誰が適任か」と考えた際に、有力な候補が見当たらないという認識が広がっています。例えば、小泉進次郎氏については「まだ時期尚早」との声が多く、高市早苗氏については保守層からの人気は高いものの、「極端すぎる」といった懸念も存在します。こうした状況から、「それなら石破総理のままで良いのではないか」という意見が強まっているのです。
”最大の理由”?「右派ポピュリズム」への不安
青山氏が「今自民党内でこれが最大の理由なんじゃないか」と語るのは、「右派ポピュリズム」への不安です。今回の参議院選挙でも明らかになったように、ナショナリズムの勢いが強まっていると指摘されており、参政党や国民民主党の躍進もその表れとされています。
日本の政治における右派ポピュリズムの台頭と石破総理の支持率への影響
このような状況下で石破総理を交代させると、さらに右寄り、あるいは右傾化が強まってしまうのではないかという懸念があります。特に、今年は戦後80年の節目であり、「戦争は良くなかった」という思いが強い高齢者層を中心に、こうした傾向への反発心が強いと見られています。今回の世論調査で、年齢が高い層ほど石破総理への支持が高いという特徴は、この「右派ポピュリズム」への対抗意識が理由にある可能性が指摘されています。
結論
石破総理の「続投」を支持する世論が高まっている背景には、「裏金議員」への反発、経済の好調維持への期待、「ポスト石破」候補の不在、そして何よりも「右派ポピュリズム」への深い警戒感という複合的な要因が存在します。これらの要素が絡み合い、厳しい状況下でも石破政権が支持を集める理由となっていることが、政治ジャーナリストの分析から明らかになりました。
参考資料: