男性専用車両イベント、大阪での開催中止へ 阪堺電気軌道が貸出拒否

大阪市内で路面電車を貸し切り、話題の「男性専用車両」イベントが開催中止となりました。主催するNPO法人日本弱者男性センターは、当初11月17日に阪堺電気軌道の路面電車を使用してイベントを実施する予定でした。しかし、阪堺電気軌道側からの貸出拒否により、実現には至りませんでした。

開催中止の経緯

日本弱者男性センターは、これまで東京で年2回「男性専用車両」イベントを実施してきました。今回、初めて大阪での開催を計画し、阪堺電気軌道に路面電車の貸し切りを依頼。9月2日に予約が完了し、準備を進めていました。

しかし、10月22日、阪堺電気軌道側から「社内で精査した結果、貸し出しはできない」との連絡が。協議の結果、阪堺電気軌道の社名を出さない、取材対応を制限するなどの条件付きで貸し出しが認められると思われました。

alt_textalt_text

ところが、11月5日夜、再び阪堺電気軌道側から「やはり貸し出しはできない」との通達。センター側は代替案を提案しましたが、受け入れられず、最終的にイベント中止を決定しました。

阪堺電気軌道の見解

J-CASTニュースの取材に対し、阪堺電気軌道の調査役は、条件付きで話を進めていたことは認めたものの、正式な許可は出しておらず、契約も締結していなかったと説明。貸し出し中止の理由については「総合判断の結果」と述べるにとどまりました。

男性専用車両とは?その意義と課題

「男性専用車両」は、痴漢被害の防止や男性の安心・安全な移動空間の確保などを目的として提唱されています。一方で、男女間の不平等感を助長する可能性や、真の解決策にならないといった批判的な意見も存在します。

専門家の意見

公共交通政策に詳しいA大学B教授は、「男性専用車両の導入は、性犯罪対策として有効な一面もある一方で、社会的な議論を深める必要がある」と指摘。「性犯罪の根本的な解決には、教育や啓発活動など、多角的なアプローチが不可欠だ」と述べています。

今後の展望

日本弱者男性センターは、今回のイベント中止を受け、「『男性専用車両』という名称で賛否両論あることは理解している。今後も多くの方に理解を得られるよう、活動を続けていきたい」とコメントしています。

男性を取り巻く社会問題や、公共交通機関における安全対策について、更なる議論の深まりが期待されます。