政界の注目が集まる中、石破茂首相は11日に召集される特別国会での首相再指名を目指しています。メディアは首相続投を予想していますが、30年ぶりの決選投票の可能性も浮上し、再出発する石破政権の未来は波乱含みです。
国民民主党、キャスティングボートを握る
衆院選での苦戦により少数与党となった石破政権にとって、28議席を持つ国民民主党の動向が重要なカギを握っています。玉木雄一郎代表は8日の外国特派員協会での会見で、首相指名選挙において石破首相にも野党第一党・立憲民主党の野田佳彦代表にも投票しない方針を表明しました。
過半数の票を獲得できなければ上位2名による決選投票となります。国民民主党や日本維新の会などが自党代表に投票する「無効票」戦略をとれば、石破首相の再指名は確実視されます。しかし、玉木代表は「民意は政治資金問題で与党に過半数を与えなかった」と述べ、石破首相への支持を明確に否定。政策面での「部分連合」はあり得るものの、無条件の支持は難しい状況です。
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30年ぶり、野党に渡る予算委員長ポスト
石破首相の再指名は当面の安堵材料となる一方で、政権運営には不安要素が山積しています。衆院各派協議会では、30年ぶりに予算委員長ポストが野党(立憲民主党)に配分されることが決定。国政全般を扱う予算委員会は首相を含む全閣僚が出席し、テレビ中継もされる重要な場です。NHKによると、17ある常任委員長のうち7つが野党に割り当てられ、事実上、国会運営の主導権を野党に握られる形となりました。
支持率低迷と早期辞任要求、不安高まる政権基盤
朝日新聞の調査によると、石破首相の支持率は先月初めから12ポイント下落し34%に。7日に行われた自民党議員懇談会では「早期辞任」要求も飛び出すなど、政権基盤の弱体化が懸念されています。来年7月の参議院選挙を控え、「石破首相では選挙を戦えない」という声が強まる可能性も否定できません。毎日新聞は、来年3月の本予算通過まで国民民主党との協調を維持しながら政権運営を続けるしかないという見方が党内で強まっていると報じています。
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トランプ氏との外交、不安視される首脳関係
今月中に予定されているトランプ氏との首脳会談についても、不安の声が上がっています。安倍晋三元首相のようにトランプ氏と「ゴルフ外交」を展開できるのか、首脳間の信頼関係を築けるのか疑問視されています。石破首相が十数年間ゴルフをしていないことも、不安材料の一つとして挙げられています。時事通信は、トランプ次期大統領との信頼関係構築は政権の命運を左右する難題であり、内政課題に追われ外交に注力できるかも不透明だと指摘しています。
今後の政権運営に注目
国民民主党との関係構築、低迷する支持率への対応、そして外交手腕など、石破政権は多くの課題を抱えています。今後の政権運営は、日本の政治情勢に大きな影響を与えることは間違いありません。