トランプ次期大統領の人事、ゲーツ氏とギャバード氏の起用に懸念の声

トランプ次期大統領が発表したマット・ゲーツ氏とトゥルシー・ギャバード氏の主要閣僚人事案が、物議を醸しています。司法長官へのゲーツ氏、そして国家情報長官へのギャバード氏の指名は、両氏の経歴や過去の言動にまつわる懸念から、様々な批判を招いています。この記事では、それぞれの指名における問題点と、今後の政権運営への影響について掘り下げていきます。

ゲーツ氏、司法長官への適性に疑問符

フロリダ州選出の下院議員であるマット・ゲーツ氏は、熱烈なトランプ支持者として知られる保守強硬派です。2023年1月の下院議長選では、党の方針に反発し、ケビン・マッカーシー氏の議長選出を阻む一因となりました。また、マッカーシー議長解任の動議を提出するなど、党内対立を激化させた経歴も持ちます。

さらに、ゲーツ氏は過去に性的人身売買容疑で捜査対象となった経緯もあり、その資質に疑問を投げかける声が上がっています。共和党のリサ・マコウスキー上院議員も、この人事を「真剣な起用だとは思えない」と批判しています。司法長官という重要な役職に、このような人物が就任することへの懸念は拭えません。

マット・ゲーツ氏マット・ゲーツ氏

党内対立の火種となる可能性

ゲーツ氏の強硬な姿勢は、今後の政権運営においても党内対立の火種となる可能性があります。共和党内からも批判の声が上がっており、政権の安定性を脅かす要因となるかもしれません。

ギャバード氏、情報機関トップへの適任性に疑問

一方、トゥルシー・ギャバード氏はハワイ州選出の元民主党下院議員で、2020年の大統領選にも出馬した経験を持ちます。下院議員退任後はトランプ氏支持を表明し、今回国家情報長官に指名されました。

ギャバード氏は州兵としてイラクに派遣された経験があるものの、情報機関に関する専門知識は乏しいとされています。また、ロシアのウクライナ侵攻に関して親露的な発言をしたこともあり、その政治姿勢にも懸念の声が上がっています。上院情報委員会のマーク・ワーナー委員長(民主党)は、「親露的かどうか厳しく調べる必要がある」と述べています。

トゥルシー・ギャバード氏トゥルシー・ギャバード氏

情報機関の信頼性への影響

ギャバード氏の国家情報長官就任は、米国の情報機関の信頼性にも影響を与える可能性があります。専門知識の不足や親露的な姿勢は、国際社会からの信頼を失墜させるリスクをはらんでいます。

今後の政権運営に不安の声

ゲーツ氏とギャバード氏の起用は、トランプ次期政権の不安定さを象徴するものと言えるでしょう。両氏の経歴や言動は、政権内部の対立を深め、国際社会からの信頼を失墜させる可能性があります。今後の政権運営がどのように展開されるのか、引き続き注目していく必要があります。