「日本の屋根」と呼ばれる北アルプスを貫く、世界有数の山岳観光ルート「立山黒部アルペンルート」。
【写真】「こんな車両見たことない…」“地底トンネル”を行き来する「インクライン」の迫力ありすぎる姿
長野県の「扇沢駅」から富山県の「立山駅」までの総延長37.2km、最高地点2450mを、乗り物を乗り継ぎながら巡ります。毎年5月に見られる雪の壁で有名な「雪の大谷」など見どころ満載で、いまや日本を代表する観光地となっています。
今年は11月末を最後に冬季休業に入りますが、26年には立山黒部地域に、新たな観光ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」が一般開放される予定です(ただし、ルート内の一部のケーブルカーで改修工事が必要となるなど、計画に遅れが出ており、早ければ来年10月開放と予定しているものの、延期の可能性もあるとのことです)。
【写真を見る】「中島みゆきが歌ってた」「スケールが違いすぎる」 注目される《黒部宇奈月キャニオンルート》の中身(32枚)
■「黒部宇奈月キャニオンルート」の内部を見た
立山黒部アルペンルートのハイライトである「黒部ダム」と「黒部宇奈月キャニオンルート」は、映画『黒部の太陽』(1968年)の舞台になった場所でもあります。
25年で公開から57年となるこの映画は、世紀の大工事であった黒部ダム建設の壮大なドラマを、関西電力と熊谷組による偉業として描いた作品。
トンネル工事のシーンは、熊谷組の愛知県豊川市にある工場敷地に、大規模なセットが作られて撮影されたとのこと。当時一大ブームを築いた「企業タイアップ映画」の先駆けになった作品と言われています。
当時の最新の映画製作技術の粋と、三船敏郎さん(三船プロダクション)と石原裕次郎さん(石原プロモーション)による共同制作で、これ以上にない豪華なキャストの力を結集した渾身の一作。興行収入は16億円におよび、観客動員は800万人を記録しました。
筆者は以前、「黒部宇奈月キャニオンルート」が一般には非公開であった当時、関西電力主催の施設見学ツアーに応募し、抽選で10倍以上の倍率を勝ち抜き参加したことがあります。早ければ来年に一般開放となる、このルートを先取りしてみましょう。
スタートは、立山黒部アルペンルートの出発点でもある、長野県のJR信濃大町駅。ここからバスで扇沢へ。扇沢から黒部ダムまで、「トロリーバス」という、ガソリンを使わず、架線でトンネル内を走るバスが運行していました(18年に廃止。現在は電気バスに置き換え)。






